くらし 令和7年度 町長施政方針(1)

2月27日から3月8日の11日間開かれた3月議会定例会において、神田町長が今後のまちづくりへの決意を、松高教育長が教育行政推進に係る考えや施策について述べました。今回は、その内容を抜粋して紹介します。

■はじめに
本年度は、町制70周年を迎える本町の未来を切り拓くという決意のもと、令和7年度からの新たなまちづくりの方向性を定める次期総合計画の策定に取り組んでおります。

■4つの政策軸と6つのプロジェクト
次期計画においては、就任以来重点施策として掲げてきた「医」「食」「住」の3項目に「地域経営」を加えた計4項目を、基本計画の政策軸に位置付けております。また、基本計画の中から特に重点的・分野横断的に取り組む6つの施策を「プロジェクト」と位置付け、DXなど新たな技術や視点を積極的に取り入れつつ、推進してまいります。

■政策軸「医」
第1の政策軸「医」では、生涯にわたり健康な身体と豊かな心を育み、町民の健やかな人生の実現を目指すこととし、政策分野として3点を位置付けます。
政策分野の1つ目は「心豊かでたくましい子どもの育成」とし、地域の未来を主体的に創造する心豊かでたくましい子どもを、地域ぐるみで育成する取り組みを推進してまいります。
令和7年度の主な施策として、子どもたちが変化の激しい社会において、充実した人生を実現していくために、豊かな心をもち、主体的に未来の社会を創造していくことのできる力を育む、地域創造学を実践してまいります。また、保育士などの職員の負担軽減と業務の効率化、保護者の利便性を図り、保育の質をさらに向上させるため、ICT技術による保育業務支援の検討を進めてまいります。
政策分野の2つ目は「生涯を通じた学びと文化の創造と継承」とし、生涯を通じて学びやスポーツ、芸術文化に親しむことができる環境づくりを推進するとともに、貴重な伝統文化を守り継ぐ取り組みを推進してまいります。
令和7年度の主な施策として、郷土の豊富な森林資源やその歴史的背景に関心と誇りを持ち、持続可能な循環型社会への理解を深めるため、各年代が参加する森林環境学習の充実を図ってまいります。
政策分野の3つ目は「健康でいきいきと暮らせる地域づくり」とし、町民自らが健康づくりに取り組み、安心して医療を受けられる体制づくりを推進してまいります。また、一人ひとりの個性や価値観を尊重し、地域で互いに支え合う共生の町づくりを推進してまいります。
令和7年度の主な施策として、安心して子育てができる体制を確保するため、新たに産後ケア事業を進めるとともに、婚活支援金や結婚新生活支援事業補助金の交付、出産祝い金の交付、各種医療費助成や健診・健康教育事業、介護予防に向けた取り組みを引き続き実施してまいります。
また、限られた医療資源を有効に活用するため、訪問看護ステーションへの支援を継続するほか、オンライン診療の普及拡大についても関係機関との協議を進めてまいります。
さらに、多様な町民活動を展開する上でさらなる女性が参画するよう男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいります。

■政策軸「食」
第2の政策軸「食」では、暮らしの糧となる産業を振興し、活力と賑わいあふれる町の実現を目指してまいります。
政策分野は「豊かな暮らしを支える産業振興」とし、地域特性を活かした新たな産業の創出を図ってまいります。また、地域産業の経営基盤の強化を図ってまいります。
令和7年度の主な施策として、農業分野では、担い手への農地の集約を促進するため、小規模基盤整備に対する新たな補助金を創設するほか、耕畜連携事業として、バイオ炭の利用拡大に向けた取り組みを進めてまいります。
林業分野では、事業体の人材確保を支援するため、従来の研修受講費用に対する補助金に加え、事業体への新規就業を前提とした林業応援隊の設置を目指してまいります。
また、鳥獣害対策においては、引き続き岩手県や農林業振興会、猟友会といった関係機関と協力し、シカ防護網等緊急設置事業費補助金や鳥獣捕獲活動支援補助金における対象事業を拡充するなどし、被害防止に努めてまいります。
商工業分野では、既存商品のブラッシュアップや新たな特産品の開発、販路開拓を行うため、商品アップデートプロジェクトに取り組んでまいります。
観光分野では、本町の観光資源の中核となる滝観洞の整備を進めてまいります。観光センターの建て替えを機に、滝観洞は再び脚光を集めており、令和6年には1万7400人を超える方々が訪れました。令和7年度は、観光客の安全確保と景観向上のため、老朽化が著しい敷地内道路の舗装とガードレールの更新を行ってまいります。