くらし 【特集1】今日から始める エシカル消費(1)

「エシカル(ethical)」は英語で「倫理的な」という意味。人や社会、環境に配慮した物やサービスを選び、消費することがエシカル消費です。普段の買い物など、一人一人の行動が私たちの未来を変える大きな力になります。

◆地球にも人にも優しい消費者に
私たちは日々、商品やサービスを選び、消費しながら生活しています。その消費が、世界が抱える環境問題や社会問題に密接に関わっていることをご存じですか。大量生産、大量消費は豊かな暮らしの一方で、地球温暖化や社会的不平等など、さまざまな問題を引き起こしています。仙台市ではこの100年間で平均気温が2・5度上昇。各地で大雨などによる災害も頻発しています。また、商品の原材料の多くを生産する開発途上国では、劣悪な労働環境などに苦しむ人や、労働を強いられ学校に行けないこどもも多くいます。
こうした社会的課題に気付き、この商品は誰がどのように作ったものなのか、環境に優しいかなどを考え、選択することがエシカル消費です。日々の買い物で価格や安全性などを確認するように、「エシカル」という視点も加え、選択することが重要です。
一人一人の消費は小さなものですが、多くの人が自分ごととして考え、行動することが、将来の誰もが暮らしやすい社会の実現につながります。エシカル消費を知り、できることから始めてみませんか。

◆私たちができること
01 環境への配慮
水や電気などを大切に使ったり、自然環境に及ぼす影響が少ない商品を利用したりすることが、限りある資源や環境、動植物を守ることにつながります。
[取り組みの例]
・必要なものを必要な分だけ買う
・長く使えるものを選ぶ
・マイバッグを使う
・食品ロスを減らす、なくす
・エコ商品や認証ラベルのある商品を選ぶ

◇認証ラベルの一部を紹介
・MSC「海のエコラベル」
海洋環境や水産資源を守って獲とられた水産物に付けられる
・FSC(R)森林認証
適切に管理された森林の樹木や適切と認められたリサイクル資源から作られた商品に付けられる

02 人・社会への配慮
開発途上国の原材料や製品を適正な価格で継続的に購入することは開発途上国や生産者の支援に、障害者就労支援施設などの商品を購入することは、障害のある人の社会参加の支援などにつながります。
[取り組みの例]
・フェアトレード商品(適正な価格で継続的に取り引きされた商品)を購入する
・障害者就労支援施設などの商品を購入する
・寄付につながる商品を購入する

03 地域への配慮
地域で作られたものを地域で消費する「地産地消」は消費者が地域の新鮮なものを購入できるだけではなく、輸送エネルギーの削減や生産者の支援、地域活性化につながります。
[取り組みの例]
・地産地消を心がける
・被災地で作られたものを購入する
・伝統工芸品を購入する