くらし 熊谷市政、始動(1)
- 1/35
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県登米市
- 広報紙名 : 広報とめ 7月号(362号)
■ゆとりと誇りを感じ、夢のあるまちに
登米市誕生後、20年で約1万8千人の人口が減り、まちの活力も低下しており、この傾向は現在も続いています。
その対策には、あらゆる政策を講じていく必要がありますが、市政運営に当たりましては、さまざまな方法で市民皆様の意向を把握し、参考にすること、市政情報を積極的にお知らせし、協働のまちづくりを進めることが大切だと思っており、市民の皆様の生活が最も大事だと捉えています。「市民生活第一主義」をモットーに、市民の皆様の生活・所得・医療・福祉・教育等が向上し、「心身ともにゆとりと誇りを感じられ、夢のある登米市づくり」に努めていきます。
◇重点政策
(1)(仮称)地域交流センター整備構想を白紙撤回
本庁舎機能は、既存の各庁舎を活用することで対応できると考えています。今後の本庁舎機能のあり方や整備も視野に入れた中で、中田庁舎と南方庁舎、登米庁舎、石越庁舎の利活用の方針を策定していきます。
老朽化している迫庁舎と迫公民館は、支所機能と公民館機能を合わせた複合施設としての整備も視野に入れ、図書館は、公民館施設や空き校舎を活用するなど、新たな図書館整備に取り組みます。
(2)病院事業
市民の医療不安解消のためには、登米市民病院の建て替えが優先されるべきであり、新たな整備については現状の赤字経営体質を解消していくことが大切であると認識しています。まずは、登米市民病院患者の満足度調査を実施した上で、建て替えする施設規模などを慎重に検討するとともに、大崎市民病院や石巻赤十字病院に通院可能な公共交通を検討していきます。
また、市内には出産できる医療機関がない現状から、子どもを安心して産み育てられる環境を整えることが喫緊の課題と捉えています。産婦人科や小児科などの医療施設を招致し、産科については助産院の模索、さらには救急救命などの命に関わる診療科を優先的に招へいしていきます。
市民のニーズに寄り添い、持続可能な運営体制を構築し、地域住民の健康と安心を守るため、現状の3つの市立病院の再編や民営化に向けた調査・検討を行い、令和8年度中に、その方向性を示したいと考えています。
(3)学校教育
児童生徒数の減少に伴い、学校再編を進めていますが、現在の学校再編計画を見直し、中学校の再編を優先して取り組むとともに、子どもたちの学習ニーズを踏まえ、中高一貫校設置に関して県に働きかけていきます。
近年、深刻化している不登校やいじめ問題には、専門家や教育関係機関を含むプロジェクトチームにより、地域全体で協力して問題解決に取り組み、さらには、誰一人として取り残されないよう「学びの多様化学校」の検討を進めます。
学校給食費の無償化については、国が令和8年度から小学校の無償化を開始する方針であり、市独自に中学校まで対象を拡大し、学校給食費の無償化に向けて取り組んでいきます。
(4)産業振興
基幹産業である農業を「より稼げる強い産業」へ転換していく必要があると認識しています。引き続き、スマート農業技術の導入を支援し、高付加価値な農産物の生産向上と地域の担い手確保に取り組み、食料産業である農業の振興に努めていきます。
商工業振興については、生活ができるだけの所得を得られるような雇用の場の確保と、登米市の特色を生かした産業の振興に努めるべきであると考えており、農畜産業、商工業、サービス業などの部門を問わず、人材育成に対する取組を推進し、関係団体と連携しながら、地域経済全体の活性化を進めるため、新たな雇用の場の創出に向けた制度を創設していきます。
(5)人口減少対策
近年、価値観の多様化に伴い、都市以外での生活も注目されるようになってきました。豊かな自然環境や豊富な食材等をセールスポイントに、多様な生活に応えられる環境の整備が必要と考えています。登米産仙台牛の更なるブランド力を向上させ、積極的にPRするとともに、市内において市内産の農畜産物が食せる場所やオープンカフェの提供、さらには、新じゃがを活用した新たな事業展開を推進していきます。
また、子育て支援を充実させ、産み育てやすい環境を整えるため、保育サービスや育児休業制度の拡充を進めます。結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援により、子育て家庭等の経済的・物理的支援を強化していきます。
安全・安心なまちづくりには、防災・減災対策は欠かせません。河川改修などのハード面の整備はもちろんのこと、避難所や災害発生時の対応などを想定し、ソフト対策も重要だと捉えています。関係機関や自主防災組織などと連携しながら、ハード・ソフト両面にわたる事前防災対策を進めていきます。
◇結びに
登米市は、さまざまな政策課題に直面していますが、スピード感を持って対応し、新たなスタートを切ったと、市民の皆様に実感していただけるよう、職員と一丸となって知恵を出し合い、また、市民の皆様、議員各位のお知恵も借りながら、新しい登米市を築いていきます。