くらし ひと・夢・まち 町長コラム

■「過疎」ではなく「適疎」のまちづくり(3)
三か月にわたり「過疎」と「適疎」について書かせていただきましたが、適疎(てきそ)とはどういう状態なのか?この言葉自体は、1969年の「過疎社会」(米山俊直著)でも使われており、日本で一極集中が進み、過疎や過密が論じられ始めたころから存在していたようです。
先月、北海道「写真の町」東川町に視察に行ってきました。現在の人口は8000人、中核市・旭川市(人口31万人)に隣接しており、わが町と立地条件が似ている町です。20年前の平成の大合併時に、町民は、「東川らしさ」を選択し、合併せず、独自のまちづくりを目指しました。そして、町では15年前から、まちづくりの理想像を示す言葉として「適疎」を使っています。町民にとって「適疎」とは、仲間と時間と空間の3つの「間」があり、人々の暮らしに「ほど良いゆとり」がある暮らしと語っています。
当町とは経緯は違えども、「らしさ」という響きは、全国に通ずる地方創生の根幹であると思う日々です。交通の利便性は町を形成する重要な要素です。その利便性を生かし、中山町に関係を持ちたいという人が増え、行ってみたい・住んでみたいという人が増えるような町にしていきたいものです。
日本遺産の構成文化財であるわが町の紅花まつりにも多くの方が訪れ、これから全国かぶと虫相撲大会、すももウォーキングと各種催しが続きます。そして、舟運ハブ港として発展してきた町、その地で生まれた「芋煮会」。多くの人々に自慢し、広めていくことは「中山らしさ」づくりになると思っています。
中山町長 佐藤俊晴