- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県金山町
- 広報紙名 : 広報かねやま No.754 2025年10月号
■〔POINT 03〕 特別会計
農集・公下水を統合し下水道事業会計へ 水道事業会計では大規模管路布設替工事も
特別会計とは、特定の事業を実施する会計で、その収支を明確にするために設置するものです。
国民健康保険会計直診勘定は、金山診療所の運営に係る会計。6年度より新型コロナウイルスワクチンについて高齢者が定期接種(B類疾病)となったため、接種受託料が1,297万円の減少となりました。一方で、5年度に引き続き、町内民間クリニックの閉院により特別調整交付金1,474万円を収入。一般会計からの繰入金は8,275万円(前年度比+2,089万円)と上昇を抑制できました。歳出では、医療施設等設備整備費補助金を活用して、内視鏡システム関連備品等956万円を整備しました。
介護保険会計は、健康づくり事業や介護予防事業への取り組みの成果等により、介護給付費が減少傾向にあります。高齢者が元気に自立した生活が送れるよう、今後も継続して取り組んでいきます。7,345万円の繰越額は、給付費が想定よりも減額したことから、7年度に国等へ負担金を返還するための財源です。
水道事業会計は、給水収益が減少しており厳しい経営状況が続いています。6年度も一般会計から経営安定補助金2,000万円を臨時的に収入したため、黒字となっています。資本的収支では、水道事業債及び一般会計出資債を活用し、稲沢~蒲沢地区配水管布設替工事1億399万円を行いました。今後も老朽化した水道管設備を適切に管理していくとともに、人口減少に応じ、ダウンサイジングした適正規模での運営に切り替え、経営改善につなげていきます。
6年度より農業集落排水事業会計及び公共下水道事業会計を統合し、地方公営企業会計である下水道事業会計を新設しました。資本的支出では、有屋農業集落排水処理施設の更新に係る調査計画策定1,715万円を実施。資本的収入としては、下水道事業債のほか一般会計から1,700万円の出資を受けました。下水道事業は生活に必要不可欠な衛生施設の管理運営ですので、今後も計画的な施設改修を進め、適正管理に努めていきます。

■〔POINT 04〕町の借金 地方債
地方債は、言わば「借金」の金額。多世代で利用する社会資本を公平に負担する役割も担っています。一般会計の6年度末残高は37億2,098万円。近年は事業見直し等により発行額を抑制していましたが、防災情報配信システム整備事業等の実施により、残高は増加に転じています。
適切な地方債発行は住民サービスの充実につながります。返済時に国の補助がある過疎対策事業債など、有利な地方債を活用して、計画的に事業を実施していきます。
◇地方債残高の推移(全会計)

■〔POINT 05〕町の貯金 基金
基金とは、町の「貯金」のこと。6年度は見込以上に交付された地方交付税等を積み増したことから、残高を伸ばしました。事業見直しの効果もあり、順調に残高を確保していますが、今後の重要事業のため、かねやま応援基金等は取崩す予定です。
災害時など臨時の出費にも対応できる弾力性のある財政運営には、余裕をもった基金積立が不可欠。今後も適正な基金残高確保に努めます。
◇基金残高の推移(定額運用基金を除く一般会計)

■〔POINT 06〕財政指標
経常収支比率は92.8%と増加 将来負担比率は基金増と町債減より「ゼロ」
○指標01 [▲]財政力指数『自前の収入でやりくりできるか』
必要な経費を自主財源で賄(まかな)える割合が低いことが分かります。町民税や固定資産税等の町税収入が少ないことが主な要因です。県内町村平均は0.26となっています。

○指標02 [▲]経常収支比率『自由に使えるお金がどの程度あるか』
人件費など経常経費の増加を受け、昨年度+2.2%。普通交付税が高い水準にあるため、比率の大幅な上昇は抑制できていますが、経常経費の動向は要注意です。

○指標03 [○]実質公債費比率『借金返済が財政を圧迫していないか』
大型事業の見直し等により地方債発行を抑制していることから、元利償還金が平準化されており、近年の数値は低水準で安定しています。

○指標04 [○]将来負担比率『将来世代にツケを先延ばししていないか』
着実な基金残高積み上げの効果が表れています。現時点で、借金等の将来負担を基金等の資産でカバーできるとして、将来負担比率は3年連続のゼロとなりました。

■6年度決算における健全化判断比率は、実質公債費比率が改善した一方、経常収支比率が上昇しました。実質赤字比率、連結実質赤字比率は、対象となる全ての会計で実質赤字はなく、各特別会計とも資金不足はありません。これらの改善は、見直しによる事業の縮小や施設の統合など、町民の皆さんのご理解・ご協力あっての成果です。7年度以降は複数の大規模建設事業等を予定しており、引き続き計画的で適正な財政運営に努めていきます。
