- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県飯豊町
- 広報紙名 : 広報いいで 2025年4月号
■施政方針(要旨)
令和7年度 町長 嵐正人
やっぱり、飯豊で幸せになる ~暮らし満足度No.1のまち実現~
令和7年の幕開け、正月の恒例行事となった東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は101回目の開催、新たな100年に向けた大舞台において、青山学院大学が他大学を寄せ付けない圧倒的な強さで、2年連続8度目の総合優勝を果たし、駅伝ファンの記憶にまた新たな1ページが刻まれました。「やっぱり箱根は青学だ」と見る人を納得させる強さ。その裏には選手たちの壮絶な努力はもちろんのこと、指導者や家族など優勝という同じ目標に向かって取り組む、全ての人々の力が結集されてこその結果であると感じます。
人口減少が止まらない、東京一極集中が加速する中、「やっぱり住むなら飯豊町」と町民の皆さまそして町外の方々からも納得の評価をいただけるまちづくりを推進することが、人口減少に歯止めをかけ、一度故郷を離れた人々を呼び寄せる力になると信じています。
今年度は、まちづくりの核となっている令和3年度から令和12年度までの10年計画である、第5次飯豊町総合計画の中間見直しの年度になります。今までの取り組みを振り返るとともに、『暮らし満足度ナンバーワンのまち』実現を目標に掲げ、山積する課題を解決し、町民のニーズに応えるために努力していかなければならないことを確認し、社会の変化に対応しながら、全町民の思いを結集し町政運営を行うとともに、身近な行政・頼れる行政を実感できる環境を形成してまいります。
持続可能で自立した地域づくりのため、町民自らが積極的に行動し、地域の課題解決を図り、地区まちづくりセンターの役割を明確にするなど取り組みを強化します。まちづくりを進める上で重要となる人を育む取り組みを推進し、郷土や地域に愛着を感じる住民意識の醸成を図ります。また、町民と行政が積極的に交流し、さまざまな分野で社会に貢献したいという思いを持つ多くの町民がまちづくりに参画し活躍できる地域づくりを進めます。
観光分野においては、令和6年度に策定した『飯豊町持続可能な観光計画』に基づき、本町の観光を「高付加価値型滞在観光への転換」「観光と産業の一体的振興」「オールシーズンでの観光コンテンツの開発」の3本柱で発展させ、地域経済の活性化と観光客の満足度向上を目指します。町民と一体となり、飯豊町ならではの観光の魅力を世界に発信していきます。
◆主な重点政策
まちづくりの基礎となるのは「人」です。先人の鼓動と息吹をなぞりながら、持続的な町の未来と暮らしの価値を描ける人材育成を進めます。
また、住民の声をしっかりと受け止め、誰もが活躍できる環境と文化づくりを意識し、他者を尊重しながら共に行動し続ける公平公正な行政運営に努めます。
◇人をはぐくむまち
令和4年8月の豪雨災害の経験から、環境問題さらには地域コミュニティや自治意識の重要性を再認識しました。持続可能で自立した地域づくりのため、住民自らが積極的に行動し、地域の課題解決に行動できるよう地区まちづくりセンターの役割を明確にするなど取り組みを強化します。
◇世代をつなぐまち
令和7年度から、無痛分娩などに要する費用の助成を実施するとともに、就学前までの切れ目のない健診でこどもの特性を早期に発見、支援できるよう、5歳児健診を新たに実施します。
◇縁をつむぐまち
訪日外国人旅行者が増加する中、本町もこの流れを生かし、インバウンド誘客を強化します。蓄積した経験とネットワークを活用し、訪日外国人向け観光プロモーションを推進するとともに、観光客が快適に滞在できる環境づくりを進めます。また、グリーンシーズンの魅力を打ち出し、エコツーリズムやアウトドアアクティビティを含む観光商品の開発を進めます。
◇郷土をたがやすまち
昨年7月、庄内・最上地域などを記録的な大雨が襲いました。本町でも令和4年8月の豪雨災害からの復旧・復興を着実に進めてきた中、災害復旧工事箇所が再び被災するなど甚大な被害が発生し、早期の復旧・復興を願う町民や関係者は精神的に大きな影響を受けました。いつ起こるか知れない災害に備えるため、地域防災計画やハザードマップの見直しを進め、災害に強いまちづくりを推進します。
◇可能性をひらくまち
令和6年度、非農家の方にも協力いただき地域計画を策定しました。農業の衰退は、農業が基幹産業である飯豊町の衰退にもつながることから、今後もこの豊かな町土や美しい景観を子や孫の世代に引き継いで行くため、大規模農家のみならず家族経営の小規模農家に対する支援を継続し、地域コミュニティの維持継続、地域農業の取り組みを推進します。
◆主な事業の概要と予算額
◇空き家対策事業/6,112万円
令和4年8月の小白川の増水によって倒壊の恐れがある建物は、県道長井飯豊線の早期完成に支障を及ぼし、完成後の安全な通行にも影響を与えることが想定されるため、町による略式代執行を行います。その他、空き家無料相談会の開催や空き家バンクへの登録促進、リノベーション事業などを進めることで、空き家の利活用を推進します。
◇災害復旧事業(道路橋梁、農地等、林道分)/2億2,441万円
令和4年8月および令和6年7月の大雨などによる災害で被災した道路橋梁(きょうりょう)、農地や農業用施設、林道の復旧を行います。
◇学校・家庭・地域の連携協働推進事業/775万円
地域学校協働活動推進員を町内小中学校に配置し、学校・家庭・地域が連携して子どもを育む体制づくりを行います。
◇持続可能な森林づくり事業/1,506万円
航空レーザー測量の分析結果を活用しながら本町面積の8割を占める森林の有効活用を図ります。
◇赤ちゃんのおむつ用品支給事業/72万円
無痛分娩に要する費用、生後6カ月までのおむつ用品を支給します。結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる社会の実現と、すべての子どもが健やかで安全・安心に成長できる環境を構築します。
◇地区まちづくりセンター事業/8,686万円
令和7年度から所管を企画課に移管します。持続可能で自立した地域づくりのため、地域の課題解決に向けて行動できるよう地区まちづくりセンターの役割を明確化し、地区別計画の見直しに着手します。
◇飯豊版DX推進事業/276万円
基幹業務システム構築事業/1億4,231万円
統合型GISや施設予約管理システムの運用に加え、自治体情報システムの標準化および国が推奨するクラウドなどによりデジタル技術を活用した住民サービスの充実を図ります。
◇除雪支援事業/861万円
地域支え合い除雪事業や除雪ヘルパーの派遣により、高齢者や障がい者など支援を必要とする方に除雪支援をおこないます。