くらし 特集 鳥や獣から実りを守る実施隊
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県相馬市
- 広報紙名 : 広報そうま (令和7年7月1日号)
■鳥や獣から実りを守る実施隊
相馬市鳥獣被害対策実施隊(以下「実施隊」と表記)は、農業や生活環境への被害防止のために有害鳥獣の対策を実施する組織で、市から要請を受け、有害鳥獣の追い払いや捕獲に取り組んでいます。
今回の特集では、日々、有害鳥獣からの被害防止のために活動する実施隊の姿を紹介していきます。
◆実施隊の概要と活動
市内では、イノシシやニホンザルなどによる農作物被害が多発しています。実施隊は年間を通してイノシシなどを捕獲するためのわなを設置したり、ニホンザルの追い払いや捕獲するためのパトロールを行っています。
○近年の有害鳥獣の捕獲実績数
○活動のための資格や免許など
・わな猟免許
・第一種銃猟免許(散弾銃、空気銃などでの狩猟)
・鉄砲所持許可証
○猟友会と実施隊は何が違うの?
猟友会は狩猟者を会員とする民間団体で、定められた狩猟期間(おおよそ11月~2月)に狩猟区域内で任意に活動しています。実施隊は、猟友会から推薦され市から委嘱を受けた猟友会会員で構成する組織で、有害鳥獣からの被害防止を目的に年間を通して捕獲活動をしています。実施隊員ではない猟友会員は、年間を通しての捕獲活動はできません。
◆実施隊員になるためには
実施隊員になるためには、次の要件を満たし、猟友会相馬支部から推薦を受ける必要があります。
また、実施隊員になることで、捕獲報酬のほか、銃の購入費用、過去に資格取得に要した費用などについて、市から助成を受けることができるようになります。
○主な要件
・第一種銃猟免許を持っていること
・銃の所持許可を受けて、実際に銃を持っていること
・過去3年以上、継続して狩猟活動を行っていること
・実施隊の活動に積極的に参加し、安全に捕獲活動ができること
・そのほかに必要な条件を満たしていること
〔隊員の活動服〕
視認が難しくなる山の中でも銃による誤射を防止するため、人間を確認しやすいオレンジ色のベストや帽子を着用しています。
○主な助成制度
・猟銃購入費の2分の1(上限20万円)
・猟銃などの所持許可の取得に係る経費の全額 など
◆初野射撃場
市は、捕獲従事者の技術向上を目的として初野射撃場を整備しています。
同射撃場では、アメリカントラップ方式のトラップ射撃に加え、東北で唯一移動的を使った射撃訓練が可能です。
銃を所持している方も利用可能で、実施隊員も日々射撃技術を磨いています。
◆実施隊の声
実施隊の隊長を務める菅野勇二さんに、実施隊の活動や組織の現状などを伺いました。
市内では、イノシシやハクビシン、ニホンザルなどによる農作物被害や民家侵入があります。これらの有害鳥獣による被害を減らすため、パトロールを行い、わなや散弾銃などを使った捕獲を行っています。
実施隊には現在27人が在籍しています。私は前身の組織から25年ほど活動していますが、その間に隊員の減少や高齢化が進みました。しかし、市内に射撃場も整備され、銃を始めるには良い環境となったため若手が増えてきました。若手に技術の継承を行いつつ、一緒に有害鳥獣の被害から相馬市を守っていきたいと思います。
また、有害鳥獣の捕獲活動には、必要以上に安全を確認して実施していますので、今後とも実施隊の活動にご理解とご協力をお願いいたします。
隊長 菅野勇二さん
実施隊は、有害鳥獣による被害防止のため、日々尽力しています。しかし、活動を継続するためには、隊員数の確保が重要となります。狩猟や射撃に興味のある方や農作物を有害鳥獣から守りたい方は、狩猟免許の取得を考えてみてはいかがでしょうか。実施隊の活動に興味のある方は問い合わせください。
問い合わせ先:農林水産課
【電話】37-2151