くらし 海を越えて(英語指導助手ペンリレー No.141)

アリソン・クレイ
アメリカ合衆国・オハイオ州出身
(田村市に来て8年目)

■新しいと懐かしい
今の若い人には全く考えられないかもしれませんが、私が子どもの頃、「スマートフォン」というものは存在しませんでした。子どもの頃に携帯電話でできることは、曲の再生やゲームでした。携帯電話で写真を撮ることは、SFの夢物語のようなものでした。
子どもの頃、写真を撮るためによく使い捨てカメラを使っていました。使い捨てカメラは、信じられないほどとても単純なものでした。フィルムを巻き上げてボタンを押すと、フィルムが一瞬、露光されます。その後は次の写真を撮るために、またフィルムを巻き上げなければなりません。明るさが必要な場合は、カメラ上部のフラッシュボタンを押すだけで済みます。
ただし、フィルターやズームイン、ズームアウトの機能はなく、使用者とカメラ、そして目の前に風景があるだけです。もう一つ考慮すべき点は、使用者が実際に撮影した写真が良かったかどうかすぐに分からないということでした。フィルムは、カメラを開けて確認できませんでした。写真が良かったかどうかを確認する唯一の方法は、カメラ店に使い捨てカメラを持って行って、店員さんに預けることでした。現像には1日~2日かかります。その後、現像された写真を受け取ると、自分が優れた写真家であるか、二度とカメラを預けるべきではないかが分かります。
何年も過ぎて、携帯電話は今や電話をかけること以上に色々なことができるようになりました。しかし、子どもの頃を懐かしむために最近、使い捨てカメラを購入しました。田村の写真を撮っていて、どんな写真が撮れたか見るのが楽しみです。このカメラがあれば、立ち止まって、何を撮っているのかじっくり考えるのに良いと思います。使い捨てカメラなら、その瞬間を味わうことができるのではないでしょうか。