くらし ≪特集≫ごみの減量、待ったなし!(1)

私たちが日々を生活する中で必ず出る「ごみ」。本市ではごみの排出量が多い状況が続いています。なぜごみを減らさなければならないのか。ごみを減らすために何ができるのか。ごみ問題の解決は、カーボンニュートラルに寄与するだけでなく、次世代への負担を軽減することにもなります。ぜひ、ごみの減量にご協力ください。

◆ごみ排出量13市ワースト1
市民1人が令和5年度に出した1日当たりのごみの量は1,108gで、福島県や全国平均と比べて多い状況です。また、県内13市の中で最も多く、令和4年度の9位から最下位となりました。(図1)
震災以前は、本市の排出量は福島県と全国を下回っていましたが、震災以降は増加し、依然他の自治体に比べて多い状況にあります。(図2)

◆どんなごみが多いの?
市内で発生するごみのうち、家庭から出るごみが全体の7割を超え、燃えるごみが8割を占めます。燃えるごみは、生ごみが約44%、紙類が約20%、それ以外のごみが合わせて約36%です。(図3)
ごみを減量するためには、生ごみの出し方を工夫し、ごみの分別を徹底する必要があります。一人一人の取り組みがごみの減量につながります。

◆ごみが多いとどうなるの?
このままごみの減量が進まないと、私たちの生活に影響を及ぼします。

(1)CO2増加による環境変化
ごみの運搬・処理に伴い発生するCO2の排出により、地球温暖化が進みます。地球温暖化は、大雨の多発、猛暑日の増加、農業への影響など身近に影響が出ています。

(2)ごみ処理の費用増加
ごみの量が多いと施設の修繕費用も増加します。例えば、令和4年度は約1億5千万円の費用を要しています。また、これに人件費や燃料費などを含めたごみ処理費用は約8億7千万円に上り、市民1人あたりに換算すると、約1万5千円の負担となっています。

(3)ごみ処理施設への負担増加
クリーン原町センターは、昭和63年3月に共用開始し37年が経過しました。ごみの焼却量が多い状態が続くと、強い火力による負荷がかかり続けることになり、施設の損傷が進み、このままでは令和17年には現在の施設が使用できなくなります。
加えて、焼却灰が増加することで、埋め立て処分場が満杯になる時期が早まってしまいます。

◆1人1日あたり923gを目指して
ごみの減量は「次世代により良い環境を残す」「ごみ焼却により発生する二酸化炭素の抑制で地球温暖化の影響を軽減する」「ごみ処理に係る経費の削減」につながります。
市では、令和6年12月に策定した第3次南相馬市環境基本計画に基づき、令和12年度までに1人1日あたり約180gのごみを減らす目標を掲げています。目標達成のために、(1)生ごみの減量(2)分別の徹底(3)プラスチックの資源化をお願いします。
ごみを減らすことは、食べ物、衣類など私たちの暮らしの全般につながっていて、一人一人の暮らし方に関わってきます。できることを少しずつ取り組んでいくことが重要ですので、まずは身近なところからごみを減らしましょう。

あなたにとって家庭ごみは、「集積所に出して終わり」と思っているかもしれません。でも、あなたのごみの旅はここからスタートです。ごみは、焼却でも、リサイクルでも、さまざまな人の手を経て目的地を目指します。
「ごみを出したらもう知らない」。それではいつまでたってもごみは減りません。ごみ処理の負担も減りません。費用(税金)も減りません。
まずは、ごみに関心をもってください。市では、クリーン原町センターの見学やごみ減量の出前講座も実施しています。どうぞご利用ください。