- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県伊達市
- 広報紙名 : だて市政だより 2025年10月号
敬老会に参加して毎回思うことがあります。それは、皆さん元気で、いつも私が勇気をいただいていること。そして、今こうして平和に暮らせるのは、激動の時代を生き抜き、日本のため地域のためにがんばってこられた皆さんのお陰だということです。そうした皆さんが、これからも元気で暮らしていくためにどうしたら良いかをいつも考えさせられます。
さて、現代社会は、情報通信技術の進展により急速に変化をしています。人口知能(AI)が誕生し、あらゆる分野に導入されています。AIに命令すれば、難しい計算はもとより、文章も絵もすぐに描いてくれます。何でもかんでもコンピューターで出来てしまう時代です。しかし、AIは、覚えた言葉やデータから機械的に答えを選んでいるだけであって、AI自身が考えている訳ではありません。そのデータの質と量によっては、間違った答えを導き出すこともあります。答えの良し悪しを判断するのは人間であり、そこには長年の知識と経験がものをいいます。
「温故知新(おんこちしん)」という言葉があります。『論語』の一節で、「故(ふる)きを温たずねて新しきを知れば、以って師と為るべし」に由来しています。
今の世の中、新しいものばかりを追い求め、すでに持っている価値あるものを見落としがちです。古いものの中にこそ新しいものが生きている。先人が築き上げた経験や技術を礎に、新しいものを創り上げていくことが重要だと思っています。
伊達市には、全国に誇れる歴史や文化、伝統芸能、地域産業など価値あるものがたくさんあります。これらを生かし、「温故知新」の精神で新しいことに挑戦をすること、そのためには、シニア世代の皆さんの知識や経験、技術が何よりも大切です。これからも伊達市発展のため力を貸していただくとともに、生涯健康で元気に活躍いただけることを心から願っています。
須田 博行