文化 「二孝女物語」が結んだ2市の絆 常陸太田市・大分県臼杵市 姉妹都市締結10周年(1)

10月に本市と大分県臼杵市は、姉妹都市締結10周年を迎えます。
10周年を記念して、今からおよそ200年前にあった実話「二孝女物語」に関する書簡が平成17年に青蓮寺(東連地町)で発見されてから現在までの、両市の交流について振り返ります。

■「二孝女物語」ってどんなおはなし?
江戸時代後期、豊後国川登郷泊村(ぶんごのくにかわのぼりごうとまりむら)(現・大分県臼杵市)から親鸞聖人(しんらんしょうにん)ゆかりの地を訪ねる途中、持病が悪化し、常陸国久慈郡(現・常陸太田市)「青蓮寺」に滞在していた父(初右衛門)を帰郷させるため、2人の娘(つゆととき)が水戸藩や臼杵藩、地域の方々に支えられながら300里離れた常陸国まで旅し、無事に再会を果たして3人で臼杵へ帰郷したという孝行話です。
令和2年10月号の広報紙では漫画で紹介しています。ぜひご覧ください。

■舞台となった「青蓮寺(しょうれんじ)」(東連地町)
青蓮寺は皇跡山極楽院と称する浄土真宗の寺院です。天武天皇が親王だった頃、天智9年(670年)から2年ほど滞在されたと伝えられており、その後、仏像や聖徳太子の像がまつられたといわれています。また、青蓮寺は、「二孝女物語」の舞台としても知られ、平成22年には関係資料17点が市指定文化財になり、境内に顕彰碑が建てられました。さらに、平成23年5月には「市二孝女顕彰会」が発足し、二孝女の功績を広く伝える活動が行われています。

■交流の歩み(抜粋)
▽平成17年(2005年)
3月:青蓮寺の住職が二孝女物語に関する書簡を17通発見

▽平成22年(2010年)
9月:豊後国二孝女関係資料17点が市指定文化財に指定される

▽平成23年(2011年)
5月:市二孝女顕彰会発足。二孝女研究者たちによる講演を実施
10月:野津町きっちょむ史談会を中心とする訪問団が本市に来訪

▽平成24年(2012年)
8月:市二孝女顕彰会を中心とする訪問団が臼杵市を訪問。「交流促進協定」を締結

▽平成25年(2013年)
2月:臼杵市で「災害時相互援助協定」を締結
11月:臼杵市二孝女訪問団が本市に来訪

▽平成26年(2014年)
10月:旧山田小児童が臼杵市を訪問。臼杵市立川登小学校で交流を行う

▽平成27年(2015年)
10月:臼杵市民訪問団および川登小児童が本市に来訪
10日、本市で「姉妹都市提携調印式」を開催し、姉妹都市となる

▽平成28年(2016年)
11月:うすき竹宵市民交流団が臼杵市を訪問

▽平成30年(2018年)
11月:臼杵市職員、野津町観光協会会長、臼杵市二孝女顕彰会が「常陸秋そばフェスティバル里山フェア」に来訪

▽令和元年(2019年)
10月:臼杵市、同市課長会、同市二孝女顕彰会、一龍齋貞弥後援会、市二孝女顕彰会より、台風19号の災害見舞金の寄付を受ける

▽令和2年(2020年)
10月:コロナウイルスの影響で臼杵市から本市への市民交流団派遣が中止

▽令和3年(2021年)
3月:水府小と川登小児童がリモート交流会を実施

■姉妹都市締結10周年を記念して、10月17日(金)・18日(土)に臼杵市民交流団が本市に来訪
交流の節目として、新たに共同宣言書を交わすとともに、水府小学校での交流イベントや二孝女ゆかりの地である青蓮寺での交流会等を予定しています。