くらし 【特集】令和7年度守谷市予算 3

■第3章 財政状況は……厳しい!?
財政課ひめのさん:あれ? どうしたの?
財政課なかやまさん:だって自主財源の割合が大きい※ってことは、守谷市は自立した運営ができていて安心ってことですよね?
※P.4を参照
財政課ひめのさん:それはどうかな!?
歳入の伸び以上に歳出の伸びが増えているからだよ!
まずは歳出予算です。
一般財源(国や県の補助金などではない、純粋な市のお金)を使っている経費のうち、毎年支出があるものは、平成27年からの10年で約1.5倍に増えています。

一方、歳入予算のうち、純粋に市のお金として使えるものの代表である「市税」は約1.1倍の増加にとどまっています。
年々支出は増えていますが、収入はそれに見合うほど増えていないのが現状です。

歳入予算のうち、市の貯金を切り崩す「繰入金」の予算額が大幅に増えているのは、こうした状況によるものなんだ!
財政課なかやまさん:でも、どんな支出が増えているんだろう??
財政課ひめのさん:「扶助費」はもちろんのこと、物価高騰による「物件費(委託料、光熱水費など)」の増額も大きな影響を与えています。ほぼ全てのサービスにおいて、支出が増えているといるといっても過言ではありません。
扶助費
・子育て
・医療
・障がい福祉
財政課なかやまさん:でも、ふるさと納税の歳入が好調なのでは!? 寄付額県2位の…
財政課ひめのさん:ふるさと納税は、いつまで制度が続くか不透明であるため、あくまで「臨時的な収入」としてとらえ、毎年生じる支出には原則使用しないこととしているんだよ。どんなに寄付が集まったとしても、基本的に、財政状況の改善にはほとんど影響を与えないんだ。
だからこそ、人口、税収を維持するため新たなチャレンジを積極的に行う必要があるんだよ。
財政課なかやまさん:そして、すでに実施している事業を徹底的に見直し、財政状況の改善に努めていくんですね!!
財政課うえのさん:これからもがんばろうね!

■明るい守谷の未来のため 財政の健全化を
守谷市長 松丸修久
昨年11月の市長選挙において、市民の皆様からの信託をいただき、引き続き3期目の市政運営を担わせていただくこととなりました。市民の皆様には、引き続き、より一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
さて、今国会では、政策の核心として地方創生2.0を掲げ、日本全体の活力を取り戻すとの決意が示されました。具体的には、「若者や女性にも選ばれる地方」、GX※やDXといった「新時代のインフラ整備」などが示されたところであり、守谷市においても、新たなステージに向けた地方創生を推進していく所存です。
令和6年度を振り返ると、守谷SAスマートICの事業化決定や、東京ヤクルトスワローズ2軍施設の造成工事開始など、守谷を未来につなぐための新たな事業が進捗しました。
令和7年度は、これらの事業に加えて、つくばエクスプレスの東京駅延伸など、本市の未来にとって、重要となる施策に取り組むとともに、フォープラスワンの未来へつなぐ「もりやビジョン」を市政運営の柱に据え、スピード感を持って取り組んでまいります。
しかしながら、現在の守谷市における財政状況は、経常的な経費の伸びに市税などの一般財源の伸びが追い付かない状況にあり、令和7年度は、大変厳しい予算編成となりました。
さらに、昨今の物価高騰に加え、先般の常総環境センターの火災事故など、外的要因による突発的な支出が必要になることも想定しなければなりません。
財源には限りがあります。ふるさと納税制度による寄付金がなくなったと仮定した場合、今後もこれまでと同様に事業を進めていくと、令和10年度には、財政調整基金(ふるさと納税などを元にした未来への貯金のようなもの)が底を付く状況に陥ります。
このような状況を念頭に置き、事業を拡大するばかりではなく、時代の遍歴に応じて役割を終えていると判断できる事業をスクラップするなど、戦略的ダウンサイジングを進めると同時に、DXの推進などによりイノベーションを創出し続けることで、財政の健全性を高めてまいります。
今後も市民の皆様とともに、これからの新しい守谷市を考え、明るい未来を切り拓くため、全身全霊をかけて取り組んでまいります。
GX…グリーントランスフォーメーション。クリーンエネルギー中心に社会構造を転換していく取組

3月定例月議会で、松丸市長が述べた今年度の施政方針を、一部抜粋して掲載しています。