- 発行日 :
- 自治体名 : 群馬県
- 広報紙名 : ぐんま広報 2025年9月 No.436
■ザ・バックステージ
魅力の裏舞台「宮大工」
◆神社仏閣に特化した日本の大工
自然素材を生かした独自の建築様式が美しい日本の神社・仏閣。数百年先まで耐えられる木造建築には、伝統的な技術と構造美が求められます。そんな神社・仏閣の新築・修復・保存を長年行ってきた功績から、令和5年に「現代の名工」を授与された、株式会社 生形工務店の棟梁(とうりょう)を紹介します。
◇人
株式会社 生形工務店3代目
生形 雄一(うぶかた ゆういち)さん
「祖父の代から宮大工をしており、大学卒業後は現代の名工だった父親の元で修業し、建築を学びました。まずは大工の仕事を覚えて、その後さらに勉強して宮大工となりました」
◇仕事
普通の大工と宮大工とでは、建てる物の他、使う材木が違います。社寺には十分に乾燥した大きな材木が必要なため、何十年も前に買った材木を倉庫で乾燥させています
急な仕事にも対応できるよう、倉庫には材木のストックがたくさん
木の美しさを見せる部分と瓦などで隠れる部分とで使用する木材を使い分けている
宮大工が手がける建物の屋根はカーブしている構造が特徴で、屋根の曲線をいかにきれいに出すかが腕の見せどころです。今は後継者の息子に教えながら、一緒に仕事をしています
◇道具
伝統的な宮大工道具
時代が進み、道具が進化して便利になりましたが、昔ながらの宮大工道具にしかない良さもあります。木に独特の風合いをもたらす槍鉋(やりかんな)などの伝統的な宮大工道具は、現代でも大切なアイテムです。昔の技術を上手に組み合わせながら建立しています