イベント 〔特集〕行田蓮(古代蓮) ― 行田人(わたしたち)の夏を鮮やかに彩る ―

市の“天然記念物”に指定されている行田蓮(古代蓮)。この蓮は花弁が少ない原始的な形態を持ち、1,400年~3,000年前の蓮であると言われています。
かつて小針地区周辺には沼地・湿地が広がり、昭和初期頃は沼地に蓮が咲いていました。しかしながら、化学肥料や農薬の普及に伴い急速に減少し、枯死してしまいました。
その後、昭和46(1971)年に小針クリーンセンターの造成工事により、地中深くに眠っていた蓮の実が静かに目覚めました。
2年後の昭和48(1973)年。造成工事の掘削により水が溜まってできた池の水面に、多くの丸い葉が浮いているのが見つかりました。
そして、同年7月13日、ついに長い眠りから覚めた古代の蓮が美しいピンクの花を咲かせました。
現在、行田蓮が発見された自生地に立ち入ることはできませんが、自生地から移植した行田蓮を古代蓮の里で楽しむことができます。
行田蓮が見頃を迎えた今。千年以上の時を経て、なお私たちの心を魅了するその美しい蓮の花を鑑賞しにお出掛けしてみませんか。

◇行田蓮(古代蓮)
分類:ハス科ハス属
花期:6月中旬~8月上旬
最適な鑑賞時間:午前7時~9時ごろ
特徴:花びらは17~18枚前後で、やや濃い紅色をしている

◇蓮の花言葉
清らかな心、神聖、沈着、休養、雄弁、離れゆく愛、救済

■行田蓮の一生
色濃く美しいピンクの花を咲かせる行田蓮。
その一生は短く、たったの4日間です。

◇1日目
開花初日は午前6時ごろから花弁が開き、3~4cmほど開いた後、8時ごろには閉じ始め、つぼみの状態に戻ります。

◇2日目
早朝から咲き始め、午前7時~9時ごろに満開になります。
花はもっとも美しいときを迎え、優しい香りが漂います。そしてまた、つぼみの状態に戻ります。

◇3日目
2日目と同じ経過をたどり、最大に開きます。昼ごろには閉じ始めますが、閉じかけたまま夜を迎えます。

◇4日目
7時ごろには完全に開きます。
早いものでは8時ごろから散り始め、昼には全ての花弁が散ります。そして翌年の発芽に備えて、地下茎に栄養を蓄えます。

◆開花から散るまでの映像を見ることができます
古代蓮会館「古代蓮ふれあいシアター」では、「四季 古代蓮の里」をテーマに、四季折々の園内の様子や蓮の発芽から一年の様子、蓮の花の開花から4日目までの様子などを大型スクリーンに映写した、色鮮やかな4K映像で見ることができます。

過去の行田蓮の様子などをYouTube「ぎょうだ動画チャンネル」で公開しています。

蓮の開花期・田んぼアート期の駐車場有料期間および古代蓮会館の営業時間

■古代蓮の里では行田蓮を含む世界の蓮 42種類を楽しむことができます
古代蓮の里では、古代蓮池・水鳥の池・水生植物園に咲く約10万株の行田蓮、甲斐姫の他に、公園内南側にある「世界の蓮園」で40種類約2万株、計12万株の花蓮が咲き誇ります。
また、古代蓮会館展示室では20種類の花蓮のレプリカや、22種類の花蓮の特徴を展示しています。

◇甲斐姫
行田蓮とアメリカ黄蓮(おうれん)との交配種です。忍城城主 成田氏長の娘・甲斐姫にちなみ、平成21年に開催された「蓮サミット」で命名されました。
この甲斐姫は、水生植物園で見ることができます。

◆世界の蓮の一部を紹介します
◇千弁蓮
花弁が2,000~3,500枚もあり、自然開花が難しい

◇インド蓮
インド駐日大使から贈られた種子から開花した蓮

◇ミセス・スローカム
花弁が70~100枚ある黄紅系で唯一の八重咲種

◇原始蓮
植物学者・大賀一郎博士が原始的な蓮として命名

■田んぼアート情報
◆行田蓮の開花と合わせて世界最大田んぼアートもお楽しみください
今年の田んぼアートのデザインは、世代を超えて幅広い人気を持つ作品「鬼滅の刃」の主人公 竈門炭治郎です。6月14日、15日の田植えイベントで植えられた苗も順調に育ち、絵柄もはっきりしてきました。
ぜひ、行田蓮の鑑賞と合わせて「行田タワー」から見る大迫力の田んぼアート作品をお楽しみください。

◇古代蓮の里市民無料駐車券について
市民無料駐車券(古代蓮の里駐車場有料期間中に市民が無料で駐車場を利用できるもの)は自治会を通じて6月上旬ごろに全戸配布をしています。自治会未加入の方や紛失された方には市役所総合窓口または都市計画課(前谷1-1)で配布しています(本人確認書類が必要です)。

問い合わせ:都市計画課
【電話】550-1550