くらし 市長コラム 新しい行田へ

■第24回「SL日本遺産のまち行田号、市内を疾走!」
8月30日(土)、秩父鉄道のSL蒸気機関車〔C58363〕が、白煙を上げて市内を疾走しました。笑顔で大きく手を振る方、その華麗な走りを撮影しようとスマホを構えている方、子どもからご高齢の方まで、沿線には人の姿が絶えませんでした。旧国鉄で活躍していたこのSLは、1988年に秩父鉄道で復活して以来、「SLパレオエクスプレス」として、熊谷駅~三峰口駅を定期運行してきましたが、この度、行田市内まで延伸し、初運行となったのです。その名も「SL日本遺産のまち行田号」。秩父鉄道によると、事前予約を開始した直後に申し込みが上限に達したとのことで、SL行田市初疾走の反響は予想以上のものだったそうです。
実は、これにはちょっとした裏話があります。私が市長に就任した一昨年、秩父鉄道さんが市役所に年末のご挨拶に来られた時のことです。「秩父鉄道さん、秩父の方だけでなく、熊谷からこちら側にも目を向けてくださいよ!」と、市の街中を横断する秩父鉄道に対して、あれこれ要望をさせていただきました。「SLを行田市内も走らせてくれませんか?」。それに対して秩父鉄道さんからは、「橋梁の強度の問題があるんですよねぇ…。」と、その時は渋い回答でした。
1年半が経ち、再び秩父鉄道さんが市役所に来られました。牧野社長から開口一番、「市長からの1年半前の宿題です!」「SLを行田市まで走らせることにしました。」その満面の笑顔に、市役所の応接室が一気に明るいムードに変わりました。後日、牧野社長がおっしゃるには、ご自身が社長に就任して以来、なぜSLは熊谷止まりなのだろうかと、疑問に思っていたそうです。私から提案を受けた面会の後、これは必ずやろう、と心に決めたとのこと。ということは、私が秩父鉄道さんの背中を押したのですね!?
次回の運行は10月13日と26日です。鉄道とまちは切っても切り離せない関係ですから、秩父鉄道と行田市はWinWin(共存共栄)でいきましょう。
行田市長 行田邦子