くらし 識者に聞く『男女共同参画社会とアンコンシャス・バイアス』

■鴻巣市男女共同参画情報誌「ほほえみ」
編集委員長 小池真奈美(こいけまなみ)さん
男女共同参画と聞くと、女性が常に不平等な扱いを受けているというイメージを抱きがちですが、実際は男性側も、古くからある固定観念などから、働きづらさを感じていることがあります。男性と女性で役割分担するのではなく、互いの得意・不得意を理解したうえで、補い合うという考え方をすることが大切だと感じています。
アンコンシャス・バイアスは、個人の長年の経験に基づいて形成されるので、それをすぐに変えるということは難しいです。大切なことは、個人の考え方を変えるのではなく、他の考え方もあることを知り、受け入れることです。
この特集を読んで終わりとするのではなく、ここから何かに気づき、男女について考えるきっかけにしてほしいと思います。

■NPO法人グリーンパパプロジェクト
代表理事 鴻巣市男女共同参画審議会会長 吉田大樹(よしだひろき)さん
男性の育休取得率は3割を超えましたが、まだまだ表面的なものに感じます。例えば、平日の授業参観とその後の懇談会に参加しているのは、ほとんどが母親です。これは、無意識のうちに男性は母親が行くもの、女性は自分が行くものと考えてしまっているからかもしれません。
私が代表を務めるNPOでは、農体験や自然体験を通じて、男性が子育てにもっと関わるきっかけの場を提供しています。
男性がもっと地域や学校の行事に関わることで、女性に偏る家事や育児面での負担が減り、働く意欲のある女性のキャリアアップにもつながります。それは社会全体にとってもプラスに働きます。
誰かにこうしなさいと言われても、人は変われません。自ら気づくと納得感があるので、行動変容につながります。男女共同参画社会実現のため、ぜひ皆さんに一歩踏み出していただければと思います。