- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県新座市
- 広報紙名 : 広報にいざ 令和7年9月号(No.1101)
厚生労働省の調査では、令和7年(2025年)現在の認知症の高齢者は471万人、軽度認知障害(MCI)※の高齢者は564万人と推計されています。65歳以上の約3.5人に1人が認知症又はその予備群といえる状況です。認知症は誰もが関わる可能性がある身近な病気です。
※軽度認知障害(MCI)とは、軽度の認知機能の障害があるが、日常生活には大きな支障がない、認知症と診断される手前の状態です。
認知症とは、脳の神経細胞の働きが悪くなり、記憶力や判断力などの認知機能が低下することで、生活に支障を来す状態のことをいいます。
原因は様々ですが、認知症の方の約7割は、脳に異常なたんぱく質がたまり、細胞が破壊されて脳が萎縮することで起こる「アルツハイマー型認知症」です。
「軽度認知障害(MCI)」の段階で治療を始めると、認知症への進行を遅らせることが期待できます。
●認知症サポート医である児玉先生からのメッセージ
在宅療養支援診療所
新座こだまクリニック 院長児玉奥博
認知症は、早期発見・早期受診で進行を抑えられる可能性が高くなります。ご家族のほとんどはご本人に対する違和感に気付いているということを、日々の診察でよく実感します。違和感とは、「物忘れが増えた」、「何度も確認する」、「約束を忘れる」、「怒りっぽくなった」などです。
しかし、その後放置するか、医師につなげるか、判断が分かれます。放置すると悪い結果につながるおそれがありますが、医師につなげることでマイナスになることはありません。
発見が遅れて大きな問題となった例を挙げますと、大変怒りっぽくなり家族に怒鳴り散らして包丁を持ち出すようになった方がいました。このような場合、入院しないと対応が難しいですが、病院に連れて行くこと自体が困難です。警察沙汰にもなってしまい、入院までつなげるのが非常に大変でした。
気になる症状があれば、早めに受診することを推奨しています。
高齢者相談センターは、市内に8か所あります。
「もの忘れが気になる」、「介護保険の申請方法を知りたい」、「イキイキと自立した生活を送り続けるためには何ができるのか」、「ご近所さんの様子がなんだかおかしい…」など、様々な面から皆さんの支援を行う総合相談機関です。
各センターの連絡先は、11ぺージをご覧ください。
講演会や気になる症状の相談会を開催します。
日にち:9月20日(土)
場所:市民会館
申込み:9月5日(金)まで
認知症月間にちなんだイベントを開催します。
○認知症にやさしいまちにいざ展
認知症の基礎知識や市の取組を紹介します。
期間:9月1日(月)~30日(火)
場所:市役所市民ギャラリー前
○オレンジライトアップ
認知症支援のイメージカラーのオレンジ色で、公共施設周辺をライトアップします。
期間:9月1日(月)~30日(火)
場所:市役所、保健センター
認知症で行方不明になった方の多くは、行方不明になった場所から半径5km圏内で発見されています。 早期発見・保護のため、迷わず110番通報をしてください。
○認知症高齢者見守り模擬訓練
迷い人への声掛けや通報の模擬体験を通して、認知症への理解を深めます。
日時:10月5日(日)、午前10時~正午
場所:特別養護老人ホーム晴和苑(東3-7-26)
対象:主に東・東北地区在住の方
定員:15名・申込順
申込み及び問合せ:北部第一高齢者相談センター(【電話】048-486-5011)へ
○認知症サポーター養成講座
認知症サポーターとは、認知症を理解し、認知症の方やその家族を見守る「応援者」のことです。認知症の方への接し方などを学ぶ養成講座を受けると、誰でも認知症サポーターになることができます。講座で学んだことをいかし、近所での見守りや困っている人への声掛けなど、自分のできる範囲で活動してみませんか。
〔9月・10月の講座開催日程〕