- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和7年10月号
■大人の役割を考える
Q.こどもの権利を守るのは大人の役割…大人は何でもこどもが言ったとおりにするの?
A.こどもの意見をよく聴いて、何が「こどもにとって最もよいのか」を一緒に考えることが大切です。
「こどもの権利を大切にしよう」というと、「全てこどもが言ったとおりにしないといけないのか」と思う方もいるかもしれません。
そうではなく、大人がこどもの言うことをよく聴いて、何が「こどもにとって最もよいのか」を一緒に考えることが、こどもの権利を守ることにつながります。
全てのこどもが、自分らしく健やかに成長するためには、家庭だけではなく社会全体で支えていくことが必要です。こどもの「こえ」や意見を聴き、「こどもの目線」で「こどもたちにとって最もよいことは何か」を一緒に考えていきましょう。
◇[Check!]こどもの健やかな成長を支援する場があります
NPO法人やボランティア団体により、無料または低額で食事を提供する「子ども食堂」、学習を支援する「学習支援教室」、遊びの場を提供する「プレーパーク」などのこども・若者の居場所づくりの取り組みが広がっています。
■自分が大切にされていないと感じて、つらいときや悲しいとき…あなたやあなたの家族・友だちを守るために相談できる場所があります
あなたが通っている学校やよく行く病院などでも相談できます。
大切なあなたが困っているときに、話を聴いてくれて、一緒に考えてくれる人は必ず近くにいます。
◇相談場所一覧
・富士見市子ども未来応援センター
【電話】049-252-3773
相談時間:月~金曜午前8時30分~午後5時15分(祝日、年末年始を除く)
・親子のための相談LINE
右記二次元コードを読み取り、またはLINE画面で「親子のための相談LINE」と検索し、友だち追加
※二次元コードは本紙をご確認ください。
・24時間子供SOSダイヤル
【電話】0120-0-78310
相談時間:毎日24時間
・子どもスマイルネット(埼玉県の電話相談窓口)
【電話】048-822-7007
相談時間:毎日午前10時30分~午後6時(祝日、年末年始を除く)
・さいたまチャイルドライン
【電話】0120-99-7777
相談時間:毎日午後4時~9時
・富士見市教育相談室
【電話】049-257-5310
相談時間:月~金曜午前8時30分~午後5時(祝日、年末年始を除く)
・こどもの人権110番
【電話】0120-007-110
相談時間:月~金曜午前8時30分~午後5時15分(祝日、年末年始を除く)
・埼玉いのちの電話
【電話】048-645-4343
相談時間:毎日24時間
・児童相談所虐待対応ダイヤル
【電話】189(いちはやく)
相談時間:毎日24時間
・朝霞児童相談所
【電話】048-465-4152
相談時間:月~金曜午前8時30分~午後6時15分(祝日、年末年始を除く)
■まちの相談パートナー人権擁護委員を知っていますか
市町村の区域で人権擁護活動を行う、法務大臣から委嘱された人たちです。本市は8人の人権擁護委員が市民相談や人権教室などをはじめとする人権啓発活動に尽力しています。
任期は3年(再任可)で、相談などの業務を行うにあたっては関係者の秘密を守る義務があります。
◇市民相談
日時:毎週木曜午前9時~正午(祝日、年末年始を除く)
相談方法:オンライン(要予約)、電話、対面(市役所2階第3相談室)
相談員:人権擁護委員、行政相談委員
問合せ:人権・市民相談課
【電話】(内)272
■[INTERVIEW]人権擁護委員 井上 恭子 さん
人権擁護委員として活動され、委員を代表して富士見市子どもを守る地域協議会(代表者会議)にも出席いただいている井上さんにお話を伺いました
◇人権擁護委員の活動
私は平成29年に委嘱を受け、現在3期で活動8年目を迎えます。
主な活動としては、当番制で市の市民相談、川越人権擁護委員協議会による特設人権相談で人権相談を受けています。また、こどもとの関わりでいうと市内学校での人権教室や人権の花運動、こどもの人権SOSミニレターへの回答を行っています。もちろん委員の仕事には守秘義務があるので、家族にも話せません。
川越人権擁護委員協議会での研修受講も活動の一つです。協議会での啓発活動強調事項の18項目中2つ目に「こどもの人権」が挙げられ、こどもに特化した委員会も設置されているなど、特に力を入れて取り組んでいます。
◇学校での取り組み
学校からの依頼を受けて実施する人権教室は、みんなに人権があり、仲良くしようと伝える目的で行っています。人権擁護委員で選定した映像を見てもらい、「登場人物の気持ちになって考えたらどう思う?」ということを問いかけています。映像から知識を学ぶことで、相手の気持ちやどう対処すればよいか考えられる機会になればと、真剣に考えてくれるこどもたちの姿を見て思います。
また、毎年小学校2校ごとに、こどもたちと一緒に花の苗の植え付けを行っています。生命の尊さに気づき、やさしさと思いやりの心を培うことを目的とする事業で、人権を大切にする心を育むための大切な機会になっています。
◇こどもの人権SOSミニレター
小中学校にミニレターを置いており、川越人権擁護委員協議会を通じて相談の手紙が届きます。
例えば、いじめられている本人からだけではなく、いじめを見た周りの子からも相談があります。家庭や学校以外に思いを伝えられる一つの選択肢になっていると思います。
◇「話をよく聴く」ことを大切に
人権相談を受けて、すぐに解決できるということはあまりありません。相談を受けるうえで大切にしているのは、とにかく「話をよく聴く」こと。親御さんから相談を受けることもありますが、やはりまずは話を聴くことが一番の仕事だと思って取り組んでいます。
人権擁護委員の話をいただいたときは大変な仕事だと思いましたが、相談を受けるうちに、全てのことが人権につながっていると感じました。
8人の人権擁護委員が頑張っていますので、ぜひいつでもご相談ください。
◇こどもへのメッセージ
あなたは一人(ひとり)じゃないんだよと伝(つた)えたいです。一人(ひとり)で一生懸命(いっしょうけんめい)悩(なや)んでしまうかもしれないけれど、保護者(ほごしゃ)でも先生(せんせい)でも地域(ちいき)の人(ひと)でも、相談(そうだん)してほしいです。
◇大人へのメッセージ
こどもは守られて当たり前の存在です。どこまでも味方であることを伝え、相談してもらえる、信頼してもらえる大人になってほしいです。
