子育て 特集(子どもにも権利があることを知っていますか?) (1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県蓮田市
- 広報紙名 : 広報はすだ 令和7年7月号
■「こども基本法」ができました。
これまで日本には「子どもの権利」について明記された法律がありませんでした。令和5年4月、全ての子どもや若者が幸せな生活を送ることができる社会を目指す「こども基本法」が施行されたことで、「子どもの権利」が法律によって明確に守られることになりました。
○子どもの権利とは?
全ての子どもが生まれながらに持つ、健やかに成長するために必要な権利です。子どもの権利には命が守られ大事に育てられることや差別されないこと、子どもが自分の意見を自由に言えることなどがあります。
○こども施策
こども基本法の目的を実現するため、子どもや若者の皆さんが社会で幸せに暮らしていけるように支えていく取組みを「こども施策」といいます。例えば、子どもの居場所作りやいじめ対策など、子どもの健やかな成長のための支援を切れ目なく行っていくことなどがあります。
○こども施策を決める上での6つの基本理念
1全ての子どもはたいせつにされ、基本的な人権が守られ、差別されないこと。
2全ての子どもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育を受けられること。
3年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、社会のさまざまな活動に参加できること。
4全ての子どもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、子どもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
5子育ては家庭を基本としながら、そのサポートがじゅうぶんに行われ、家庭で育つことが難しい子どもも、家庭と同様の環境が確保されること。
6家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会を作ること。
○「こどもまんなか応援サポーター」宣言
市ではこども家庭庁の子どもの利益を第一に考える「こどもまんなか社会」の趣旨に賛同し、「こどもまんなか応援サポーター」を宣言しました。今後も、子どもを「社会を構成するメンバー」として位置付け、最善の利益を考えた子どもの育ちや子育てに関する取組みを全力で推進していきます。
◆こどもまんなか応援サポーターとしての主な取組み
○子どもに関わる機関の連携
蓮田駅西口行政センター内子育てサポートコーナー「プレックス・キッズ」では、子どもに関わる仕事をしている機関が連携して子育てを支援しています。
○子どもの居場所作りの支援
不登校や学校を休みがちな子どもたちが自由に過ごすための場所「ほっとスペースりあん」を開設しています。
○子どもの遊びや体験の支援
「子育てでつながろうMiNiフェスタ」の開催を支援し、子どもが遊びや体験、さまざまな世代との触れ合いを通して成長する機会を創出しています。
○子どもの意見の尊重
「蓮田市の未来を語る子ども議会」を開催し、子ども議員が市政への意見の表明を通して、自らの考えを深められる機会を設けています。
○子どもの抱える問題を解決するために
子どもの抱えている問題を解決するためには、常に子どもの状況を把握し、子どもの声に耳を傾けることが必要です。また、問題を抱えている子どもに関係する大人だけが気に掛けるのではなく、子どもに関わる全ての人が身近なこととして考えることができるようになると、問題の予防や早期発見及び早期支援につながります。
○埼玉県中央児童相談所インタビュー
子どもに関するさまざまな相談に応じている児童相談所では実際どのような対応をしているのか、埼玉県中央児童相談所担当部長の大井川さんから話を伺います。
埼玉県中央児童相談所担当部長:大井澄人さん
Q児童相談所ではどんなことをしているのですか?
大井川さん
児童相談所は、0歳~18歳未満までの子どもに関するさまざまな相談に応じています。例えば、子育てのことで困っている、子どもの発達が気になる、非行または里親になりたいなどの相談があります。専門の職員が子どもや保護者の話を聞き、それぞれの相談に合わせた支援を行っています。
Q子どもたちを守るために、同じ地域で暮らす私たちはどうしたらいいですか?
大井川さん
子どもの問題は、地域での見守りやサポートがとても大事です。何かあったときに「まずは相談しよう」と思ってもらえる関係作りが必要です。妊娠中から子どもが大人になるまで、ずっと支えられる体制を地域で作っていくことが、子どもの問題を解決するための第一歩です。
Q具体的には、どんなことができるでしょうか?
大井川さん
少しでも気になる子どもを見かけたら、市役所や児童相談所に相談してほしいです。最近では虐待が疑われるような子どもの泣き声が聞こえると、ご近所のかたなどが「子どもの様子がおかしい」と気づいてくれることも増えていて、見守る意識が高まってきています。子どもたちに対しては、「困ったら大人に相談していいんだよ」と伝えることもたいせつです。
Q昔と比べて、子どもとの関わり方に変化はありましたか?
大井川さん
現在は、子ども自身の意見を丁寧に聞くことがより重要になっています。児童相談所では、子どもの意見を正しく聞くことのできる専門の職員が関わることもあります。子どもが自分の考えをしっかり伝えられるようになることが、支援の大きな力になります。
Q最後にひとこと
大井川さん
保護者のかたで子育て中につらいと感じたら、1人で抱え込まずに相談してください。どんな小さなことでもかまいません。あなたの一歩が、子どもの命を守ることにつながります。また、子どもの笑顔と安心を守るためには、市民の皆さんの見守りと相談が欠かせません。「おかしいな?」と思ったら迷わず相談を。地域全員で子どもを育てていけるまちを、いっしょに作っていきましょう。