くらし 特集 令和7年度三芳町施政方針(3)

◇15 高齢者福祉
~活動する地域づくり~
フレイル予防では、東京大学の協力を得て、サポーター養成やフレイルチェック測定会を開催し、地域での予防を進めます。また、認知症サポートセンターの人員を増員し、相談体制を強化し、共生社会の実現に向けた認知症施策を進めていきます。

◇16 障がい者福祉
~思いやり・支え合う~
今年度から、町が主体となって手話通訳者の派遣を行い、手話でも会話をしやすい町をめざしていきます。手話への理解や普及啓発が進み、「東京2025デフリンピック大会」の機運醸成に繋がることを期待しています。

◇17 商工の活性化
~活力あふれる商工業~
昨年度、「藤久保中央通り商店会」の全28基の街路灯のLED化を実施。商店会や商工会に対して、補助を実施するとともに、業況の悪化している業種に属する中小企業者などに対してセーフティネット保証制度の認証を実施していきます。

◇18 農業の活性化
~維持・発展~
世界農業遺産に認定された「武蔵野の落ち葉堆肥農法」の情報発信に努めます。6次産業化や農業塾の開催により、多くの人に三芳町の農業の知恵や自然・文化に触れてもらい、将来の農業の維持・発展を推進していきます。

◇19 観光振興の推進
~訪れた人が笑顔になる町~
国土交通省が各地の庭園を観光資源として登録する「ガーデンツーリズム登録制度」について、協力者の拡大と認知度向上を図ります。旅行会社と連携したツアーの構築や関係者との意見交換を行い、世界農業遺産のまちをPRします。

◇20 道路環境の整備
~円滑な交通環境を~
唐沢小学校~県道三芳富士見線までの通りの道路用地取得が完了し、道路築造工事を実施。また、将来的に、竹間沢地域の国道463号(浦和所沢線)から町道幹線23号線までの整備に向け、用地取得に必要な測量調査の実施を予定しています。

◇21 公共交通
~さらなる改善を~
昨年度、「地域公共交通計画」が完成。今年度は、当計画に基づき、町の主要拠点と各地域拠点を経由する定時定路線型の循環ワゴンの実証実験を3コースで実施します。また、高齢者の運転免許証自主返納を支援します。

◇22 通学路・避難路の安全
~交通安全・地震への対策~
通学路の面したブロック塀の耐震化や撤去の助成をします。また、今年度は、家屋が倒壊しても一定の安全な空間が確保され、人的被害を軽減できる「耐震シェルター」や「防災ベッド」等の購入に対して、費用の一部を助成していきます。

◇23 地域防災
~いざという時のために~
地域防災力の向上を図るため、一般住民および防災リーダーを対象とした「防災講座」をそれぞれ実施。また、地域の皆さんの意見を取り入れながら「地域連携避難訓練」を実施し、自助・共助の意識が更に向上するよう啓発を進めます。

◇24 行政事務の効率化
~全庁的なDXの推進~
ペーパーレス化や業務改善等を推進するため、「財務会計電子決裁システム」や町が保有するデータを取り込み、安全な環境で利用可能な「生成AIデジタルツール」を導入し、業務効率や生産性を高め、全庁的なDXを推進します。

◇25 申請手続の簡素化
~住民サービスの向上~
「書かない窓口」の導入で、住民異動届や証明書交付時における住民の皆さんの窓口負担を軽減。今後も対象手続を拡大し、窓口ごとでの申請書の反復記入等を減らし、正確に短時間で処理が終わるよう、住民サービスの向上に努めていきます。

◇26 未来創造拠点
~安心して便利に暮らせる町~
昨年度、「藤久保地域拠点施設整備事業」として、実施設計を行い、建設工事に着手しました。今年度は、令和8年の供用開始を目指し、住民の皆さんの意見を聴きながら、町のランドマークとなる施設整備を進めていきます。

◇27 緑の保全
~豊かな環境を守る~
民有林の再生に必要な萌芽更新のための伐採及び植樹費用への補助制度を創設します。また、緑地を活用した自然体験学習等をボランティア団体等と連携して実施し、自然への関心と興味を深め、貴重な緑を保全していく機運を醸成します。

◇28 上下水道
~安定供給と耐震化~
1/28(火)に発生した八潮市での道路陥没事故を受け、緊急点検を行い、問題のないことを確認しました。このような埋設物に起因した事故は、いつ、どこで発生するか分からないことから、「災害対策協力会」等と連携し、緊急時に備えていきます。

◇29 脱炭素への取り組み
~環境にやさしく~
再生可能エネルギーの普及促進のための住宅用太陽光発電システム等購入補助や温室効果ガス排出抑制のための次世代自動車購入補助を継続。また、今年度も庁用車に電気自動車1台を導入し、公用車のEV化を進めていきます。

■おわりに
「上善は水の若(ごと)し。水善く萬物を利して争はず。衆人の悪(にく)む所に處(お)る。故に道に幾(ちか)し。」『老子 道徳経』
【訳)最も善い生き方は、水の様に生きる事。水ほど大切なものはないが、自分でそれを誇らないから他人と争うことはない。水はいつも低い所へと流れ、へりくだっているから他人とぶつかることはない。この生き方こそが人間の理想。何故ならこれが「道」の生き方であるからだ。】
この生き方こそ、社会を調和に導く上で最も重要であり、現代社会のリーダーに求められる心構えではないかと思います。
『老子』との出会いで人生が変わった東洋思想研究家の田口佳史氏は、自身を励ましてくれている言葉として下記をあげています。
「ことごとく以って人の為にして、己愈々(おのれいよいよ)有す。ことごとく以って人に與(あた)へて、己愈々(おのれいよいよ)多し。」
『老子 道徳経』八十一
【訳)何もかもすべて他人のためにしながら、かえって自分がますます持つことになり、何もかもすべて他人に与えながら、かえって自分はますます豊かになる。】
そして、氏は、「持つべき精神は「他人の為」のみであり、それに徹して生きることを自分に銘じている」と加えています。人の為にして、人に與へて…。
近年、尊敬する方々の生前の生き様を見ると、「生きるとは誰かのために生きる」と語っているように思えてきます。その生き様は、「自利」ではなく「利他」にあり、「他人の為」という倫理観が根底にありました。日本人には、「他人の為」に生きる精神性が継承されています。それは、「上善は水の若し」にも通ずる心です。この心をもって町政進展、住民福祉の増進に励んでまいります。
*令和7年度施政方針より

施政方針の詳細は、町のホームページをご確認ください。