くらし 特集4 熱中症を予防しよう!(1)

熱中症は命にかかわる症状です。しかし、予防法を知っていれば防ぐことができます。熱中症は気温などの環境条件だけではなく、体調や暑さに対する慣れなどが影響して起こります。そして、熱中症は屋外だけではなく、室内でも多く発生しています。
気象庁と環境省が共同で発表する熱中症警戒アラートを活用して、熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日は、できるだけ暑さを避け、水分・塩分の補給をしっかり行うなどの対策をしましょう。また、熱中症が疑われる人を見かけたら、状況を確かめ、早めに応急処置をするようにしましょう。

■「熱中症への警戒情報」を活⽤して、⼗分な対策を
「熱中症警戒アラート」は、危険な暑さが予想される場合に、暑さへの「気付き」を促し熱中症への警戒を呼びかけるものです。令和6年4月からは、熱中症警戒アラートの一段上の「熱中症特別警戒アラート」が新たに創設されました。これは、過去に例のない暑さ(暑さ指数35以上)の時に出され、命にかかわる暑さと一層の対応を知らせるための基準になります。暑さ指数(WBGT)は、気温、湿度、輻射熱(地面や建物からの熱)の3つの要素を組み合わせた指標で、それぞれの数値に応じた対策が示されています。町では、暑さ指数が33を超えることが予測された場合は、防災無線等で注意喚起を行います。

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■もしも、熱中症が疑われる⼈を⾒かけたら
令和6年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は97,578人で、年齢区分別では65歳以上の高齢者が約6割を占め、発生場所の約4割が住居でした。熱中症は急速に症状が進行し、重症化します。軽症の段階で早めに異常に気づき、応急処置をすることが重要です。

●熱中症の重症度と主な症状

出典:日本救急医学会の作成する「熱中症診療ガイドライン2015」

●もしも、熱中症が疑われる症状の⼈を⾒かけたら、落ち着いて状況を確かめてください。
▽涼しい環境に避難させる
めまいや大量の発汗など、軽症の熱中症症状が見られる人がいたら、すぐに風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内など涼しい場所へ移しましょう。涼しい場所に避難した後も、しばらくは症状が急変するおそれがあります。目を離したり、熱中症の疑いがある人を一人にしないようにしましょう。

▽体から熱を放散させて冷やす
衣服をゆるめたり、体に水をかけたり、ぬれタオルをあてて扇いだりするなどして、体から熱を放散させて冷やします。自動販売機やコンビニで、冷えた飲料水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割氷、氷のうなどを手に入れ、それを首の付け根の両側、脇の下、鼠径部(そけいぶ)(大腿の付け根の前面、股関節部)に広く当てて、皮膚直下を流れている血液を冷やすことも有効です。軽症の場合、これでよくなることがあります。

▽⾃⼒で⽔分補給を促す
冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪うと同時に、水分補給もできます。応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷たい飲み物を持たせて、自分で飲んでもらいましょう。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」、「応答がない(意識障害がある)」ときには、誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。すぐに病院での点滴が必要です。

▽意識障害が⾒られる場合はすぐに病院に搬送する
自力での水分の摂取ができない場合や、意識障害が見られる場合は、症状が重くなっていると考えられます。救急車を呼ぶなど、すぐ病院に搬送する手段をとりましょう。