文化 特集 戦争はもう嫌だ!!太平洋戦争終結から80年

■語り継ぐ戦争の記憶と、未来へつなぐ平和への願い
穏やかな青空が広がり、成田空港を発着する飛行機が行き交う2025年の空。対して、戦闘機の轟音に包まれ、激しい戦闘が繰り広げられた1945年の空。80年前のあの日と今、空は一変しました。
戦火に脅かされることなく、日常を過ごせることがどれほど幸せなことか、戦時中を知り「命の重み」と「平和の尊さ」を改めて考えてみませんか?

◆市周辺に3カ所の飛行場
太平洋戦争当時(※1)、市の周辺には、八街・豊成(東金)・栗山(横芝光町)に飛行場が設置されました。
開戦時に、帝都東京が空襲を受けることを想定した場合、地理的特徴から房総半島を通過する可能性が高く、東京を守るため房総半島に飛行場を置きました。
房総半島の中でも、地形が比較的平坦で造成が容易な九十九里平野(豊成・栗山)と下総台地(八街)が注目され、資材を輸送する鉄道路線が近いことから飛行場の候補地として選ばれました。
戦時中、児童や生徒を含む住民たちは、飛行場の石拾いや勤務する兵士への食糧供給、施設の増築など労働に従事しました。

▽私達の町にも戦争があった(抜粋)
▽宮内庁HP「終戦の玉音放送」引用
※広報紙掲載の二次元コードをご覧下さい。

◆「体当たり特攻隊」の前進基地、戦闘機による空中戦
昭和20年2月16・17日、3つの飛行場を含む南関東全域の飛行場は米海軍機動部隊の艦載機1500機の空襲を受け、山武市の上空でも日本軍戦闘機と壮絶な空中戦が繰り広げられ、死傷者が出ました。
その後も、終戦までの間に合計8回、延べ8000機以上の米海軍艦載機が襲来し、飛行場や駅などの軍施設以外にも人の集まる施設は、銃爆撃の標的となりました。
そして「体当たり特攻隊」(※3)の前進基地としてもこれらの飛行場は使用されていました。

※1 第二次世界大戦のうち日本が太平洋周辺で米英蘭中など連合国軍と戦った戦争(1941年12月8日~1945年8月15日)
※2 糸を布に縫い付けて戦場での兵士の幸運を祈る民間信仰
※3 第二次世界大戦期に大日本帝国陸海軍が編成した爆装体当たり攻撃部隊と結果確認などに任ずる隊で構成された部隊。海軍は「神風特別攻撃隊」、陸軍は「と号部隊」と呼称した
※4 中国の満州・蒙古へ送り込むための農業実習生訓練所

[参考資料]
・「山武市近辺の戦跡巡り」
(市歴史民俗資料館・同友の会発行)
・語り継ぐ資料「私たちの町にも戦争があった」
(千葉県退職女性教職員の会房総の会山武支部ピーススタッフの会発行)

■写真で振り返る戦史ギャラリー
1_出征兵士の武運長久を祈願する日章旗への寄書き
2_マレー作戦時の九五式軽戦車
3_内原訓練所(茨城県水戸市)(※4)における千葉県女子師範学校生による慰問(昭16.12月)
4_終戦の玉音放送が流れた原口のラジオ
5_熾火(炭)を熱源に使われたアイロン
6_戦時中に使われたであろう手回しサイレン
7_松尾高等女学校の運動会
8_軍歴表
※詳しくは広報紙P2.3をご覧下さい。

■小野﨑常子さん
(松尾・95歳)
実家は松尾町大堤にあり、戦争当時は兵隊さんが一緒に暮らしていました。家の裏山には防空壕があり、入学した松尾高等女学校(現松尾高校)へは母が作ってくれた防災頭巾を被って通学していました。通学の途中に九十九里方面から飛行機が連なり飛んでくるとサイレンが鳴ります。「飛行機来るよ、みんな逃げるよ」と一目散に裏山へ走り飛行機の音が遠ざかるまで防災頭巾で頭を守りながら、冷たく暗い防空壕に身を隠しました。また、兵隊さんを送り出す時は「みんなが無事に帰ってきますように」と一枚の布に女性たちが赤糸で一針ずつ千個の縫い玉を付ける、千人針を持たせて送り出しました。(※2)
今でも戦闘機の翼やゴーという音を思い出すとゾッとします。戦争は絶対にやらないで。これが私の願いです。

■令和7年度企画展「太平洋戦争終結80年展」
I期 郷土危うし ―空襲下の山武地域―
期間:9月21日(日)まで
飛行場跡地の戦争遺跡、従軍体験資料など心に刻まれた戦争の記憶を取り上げ、郷土と戦争のかかわりを考える企画展を開催しています。
◆パネルシアター
『成東駅爆破―終戦2日前の惨事―』
日時:8月9日(土)午後1時30分~3時
(受付午後1時~)
場所:成東文化会館のぎくプラザ
参加費:無料・先着70人(予約不要)

◆DVD視聴
日時:8月23日(土)午後1時30分~3時
(受付午後1時~)
場所:成東文化会館のぎくプラザ
参加費:無料・先着70人(予約不要)

◆松尾町には、海軍大平技術研究所が設置され、現在の成東高校や松尾高校の生徒が多数動員され、レーダー技術の研究・開発に従事し空襲の被害に遭いました。また空中戦で市内各地に複数の日本軍機が墜落し犠牲者が出ました。上横地に墜落した日本軍機の破片は地域の方により、戦争の悲惨さを語る資料として現在まで保管されており、この度初公開資料として展示します。戦争と地域の関わりを考える機会としてぜひご見学ください。

問合せ:歴史民俗資料館
【電話】0475-82-2842