- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県九十九里町
- 広報紙名 : 広報くじゅうくり 令和7年9月号
東千葉メディカルセンターの果たしている役割や、設立団体(九十九里町および東金市)の財政負担状況、経営の状況についてお知らせします。
■地域で果たしている役割
九十九里町と東金市の1市1町を設立団体とした、地方独立行政法人東金九十九里地域医療センター(法人)により運営されている東千葉メディカルセンター(メディカルセンター)では、救命救急センターを有する地域の中核病院として、また地域医療支援病院として、地域医療のより一層の充実強化に向け、関係医療機関や消防機関などとの連携の取り組みを進めています。
救急医療に関し、山武郡市の二次救急医療輪番病院としての役割も引き続き果たし、令和6年度は、救急車による患者を2,788人受け入れました。
▽救急車による患者の受入れ状況
また、山武郡市広域行政組合消防本部管轄内で発生した重症患者などの救急搬送のうち、約39%をメディカルセンターで受け入れるなど、三次救急医療機関としての役割を果たしています。
▽重症患者等の搬送状況
また、周産期医療に関し、令和6年度の分娩件数は356件であり、九十九里町・東金市における出生数のうち、メディカルセンターで分娩した割合は、九十九里町では65・5%、東金市では56%であり、地域の中核病院としての役割を果たしています。
更に、令和7年度からは、泌尿器科・眼科を開設し、当初予定していた診療科を全て開設することとなりました。また、令和7年5月には届出病床を303床へ増床するなど、地域医療のより一層の充実強化が見込まれます。
■設立団体の財政負担
設立団体による運営費負担金は、開院後10年間(平成26年度から令和5年度まで)における実質的な負担額の総額を、当初計画では26億5,000万円以内に設定していました。実質的な負担額とは、実際の負担額から地方交付税措置額を差し引いたものを指します。令和5年度までの負担額の実績は、25億6,900万円(うち本町分4億9,200万円)であり、当初計画の範囲内となりました。令和6年度と令和7年度の実質的な負担額は、第4期中期計画に基づき、年2億6,500万円を見込み、令和6年度の負担額の実績は2億100万円(うち本町分2,860万円)となりました。
■令和6年度の決算状況
収益については、積極的な地域医療機関との連携強化に努めた結果、入院・外来患者数は前年よりも増加し、入院収益は6億3,600万円の増加、外来収益は1億7,900万円の増加となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う病床確保支援等の補助金は終了となり、補助金収益は6億500万円の減少となりましたが、収益全体は、3億6,400万円増加し、87億3,400万円となりました。
これに対し、費用については、救急医療をはじめとする政策医療の提供や医療提供体制を維持するための医師や看護師などの人材確保のほか、患者数増加に伴う診療材料費の増加、物価高騰による光熱水費の増加などの影響で、費用全体は、4億9,800万円増加し、97億5,600万円となりました。
これにより、損益収支については、10億2,200万円の赤字計上となりました。
▽経営状況
■経営の状況
山武長生夷隅保健医療圏における唯一の救命救急センターをはじめとする政策医療等を提供していることから、厳しい状況での経営を強いられています。
資金繰りの安定化のため、平成26年度から平成30年度にかけて設立団体の基金(千葉県からの交付金を積み立てたもの)からの貸付け(総額37億7,700万円)や、平成30年度に千葉県からの追加財政支援(30億円)が行われました。
また、令和2年度から令和5年度にかけて新型コロナウイルス感染症対応に伴う病床確保支援金(総額78億2,700万円)があったことから資金繰りの安定化は一定程度図られました。
しかし、施設整備などに係る借入金の返済、設立団体の基金に係る借入金の返済に要する支出が一定程度の規模の固定的な負担になっていること、開院後10年以上経過し既存設備の更新が必要になってきていること、物価高騰の影響を診療報酬へ反映できないことなど、取り巻く環境は油断のできない状況となっています。
財務体質の更なる改善を図り、設立団体による負担額を必要最小限にとどめるため、引き続き法人とともに経営改善に取り組んでいきます。
また、これと併せ、法人の認可者であるとともに、保健医療計画を定め、二次保健医療圏を設定した千葉県に対し、引き続きメディカルセンターの厳しい経営状況について理解を求めながら、平成30年度の追加財政支援に係る協議の際に要望・提起した次の3つの項目の実現に向けた取り組みを進めていきます。
(1)二次保健医療圏における関係自治体に対しての財政支援を含めた連携への働きかけを、千葉県が主体となって取り組むこと。
(2)県内公立病院の設立・設置団体の財政状況等も踏まえたかたちでの、公立病院における救急をはじめとした政策医療の提供に対する、千葉県による新たな支援制度(補助金)を創設すること。
(3)東千葉メディカルセンターの累積赤字の取扱いや解消に向けた手立てについて、設立団体とともに考えていくこと。
問い合わせ:
・この記事に関する問い合わせ
健康福祉課健康指導係【電話】70-3182
・診療に関する問い合わせ
東千葉メディカルセンター【電話】50-1199