- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年8月第3金曜日号
◆平塚と木谷道場
「囲碁のまちひらつか」と呼ばれる所以(ゆえん)である木谷實九段と木谷道場。囲碁界でどのような存在であったのか、功績を振り返ってみましょう。
木谷は兵庫県神戸市生まれ。幼いときから囲碁・将棋に親しみ、15歳で囲碁棋士の道へ進みました。昭和12年に平塚市内に転居し、桃浜町の自宅に道場を構え、50人以上のプロ棋士を育てました。
昭和8年、近代囲碁の革命といわれる戦法「新布石」を、生涯の好敵手だった呉清源(ごせいげん)と発表。戸沢昭宣九段・大竹英雄名誉碁聖ら、現代の囲碁界を支えた一流棋士を道場で育てた実績……など。数々の功績が讃えられ、平成22年に日本棋院の第7回囲碁殿堂入りを果たしています。
囲碁界に大きな変革をもたらした木谷と門下生。平成17年から、「木谷實・星のプラザ」でその功績を紹介しています。プロ棋士を招いた指導碁イベントや、囲碁まつりの関連イベントなどの会場としても使われています。平塚と囲碁のつながりを学びに足を運んでみませんか。
◇木谷實★星のプラザ
ひらしん平塚文化芸術ホール(見附町16-1)2階にあります。木谷實の足跡・年譜や門下生らの功績などを紹介。年に3回、一部展示替えをしています。平成30年まで市民センターにありましたが、閉館に伴い翌年から中央公民館へ移転。令和4年3月26日からは、現在の場所にリニューアルオープンしました。
◆「手談」というコミュニケーション
「物心ついたときには自宅にお弟子さんがたくさんいて、自分も囲碁を始めていましたね」と話すのは、木谷實九段を父に持つ、木谷正道さん。現在は桃浜町の自宅に囲碁サロンを開き、自身も囲碁を楽しみながら、市内外で普及活動に取り組んでいます。
◇何歳からでも楽しめる
現在77歳の正道さんが、囲碁を始めたのは4歳の頃。しかし「楽しい」と思えたのは、サロンを始めた3年前からでした。正道さんは中学生以降、囲碁とは距離を置いて過ごしていました。仕事やNPO団体の活動で、防災や福祉の事業に携わるうちに「囲碁は人とのつながりと、まちの賑(にぎ)わいをつくってくれる」と関心が向くようになったそう。「今はサロンで囲碁好きのみんなと過ごす時間が本当に楽しくて。昔教わったから今があると思うと、ありがたい環境だったなと思います」。
◇言葉のいらない対話
正道さんは、障がいの有無に関係なく囲碁を楽しめる「誰でも囲碁」の普及活動にも力を入れています。その活動を大切にするきっかけとなったのが、聴覚障がいのある仲間からの「囲碁は自分の意図がそのまま伝わる」という一言でした。「趣味の音楽活動で8年の付き合いになる方からの言葉に、今まで私はその方と『会話できたつもり』でいたんだとハッとしました」と正道さん。「囲碁は言葉を使わずに思いを伝えられる『手談』だと実感した瞬間でしたね」と語ります。現在は市内外の盲学校での体験会などをしています。
「囲碁に複雑なルールはありません。だからこそ『誰でも』できるんです。囲碁まつりでは入門講座もします。一緒に始めてみませんか」
◇誰でも囲碁
障がいの有無に関係なく、誰もが囲碁で遊べるように開発された碁盤、通称「アイゴ」を使います。立体的に浮かび上がる線と、表面の触感が違う碁石を触ることで目が見えなくても盤面が分かります。碁石の裏には凹凸があり、盤面の線で固定されるため、盤面を垂直にしても遊べます。
◆湘南ひらつか囲碁まつり
日程:10月12日(日)
雨天中止
手話通訳
プロ棋士と対局しませんか(左写真)。木谷門下会や日本棋院のプロ棋士ら約80人を招いて、1,000面打ち(500面打ちを2回)などをします。ステージイベントなどでは要約筆記もあります。
先着順。全席指定。
チケットは8月19日午前10時から、まちづくり財団(見附町31-10)ウェブ・同財団文化事業課・ファミリーマート店内のマルチコピー機で購入できます。
午前10時〜午後6時に、電話で、CNプレイガイド【電話️】0570-08-9999でも購入できます。
◇1,000面打ち大会
時間:午後0時50分〜2時15分・2時35分〜4時
場所:紅谷パールロード(紅谷町)
対象:囲碁(19路盤または13路盤)を打てる方
定員:各時間帯500人
費用:1,000円
◇プロ棋士との懇親会
時間:午後5時〜6時30分
場所:平塚プレジール(八重咲町3-8)
定員:50人
費用:6,000円
◇当日参加で楽しめるイベントもたくさん!
まちかど広場(紅谷町12-21)では、(1)の他、トッププロ棋士の囲碁講座や木谷門下レジェンドによる座談会、(5)の一部のイベントなどがあります。また、まちかど広場周辺の東側道路では、(2)(3)(5)の初心者向けの教室などを開いています。
(1)囲碁漫画『伍と碁』トークコーナー
寺山怜六段や『ヒカルの碁』の監修を担当した吉原由香里六段が登壇します。
時間:午後1時〜1時30分
(2)石倉昇九段の入門教室
時間:午後1時〜2時15分
(3)初心者個別指導コーナー
時間:午後1時〜4時
(4)詰碁(つめご)ウオーキング
囲碁の問題を解きながら、平塚駅前にある囲碁のモニュメントや、木谷實・星のプラザなどを巡ります。
時間:午前11時30分〜午後1時
(5)誰でも囲碁 in 平塚
コンサートや手話講演、誰でも囲碁入門講座などをします。
◇募集枠を拡大!1,000面打ちに高校生以下を無料招待
対局2回目に参加できます。
対象:囲碁(19路盤または13路盤)を打てる高校生以下の方
定員:100人(抽選)。
応募:8月19日(火)〜9月20 日(土)に、まちづくり財団文化事業課【電話】32-2237ウェブで、応募してください。
問い合わせ:まちづくり財団文化事業課
【電話】32-2237