- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県茅ヶ崎市
- 広報紙名 : 広報ちがさき 2025年(令和7年)8月1日号
「視覚障害」とは、目の病気やけが、あるいは脳や神経の障がいなどによって、視力や視野などの視覚機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。視覚障がいのある方が感じる不便さや困難さの壁は、周囲にいる人のちょっとしたサポートで解消される場合があります。誰もが安心して暮らせる社会を実現するために、視覚障がいについて理解を深めてみませんか。
■「見えない」も人それぞれ
「視覚障害」には網膜色素変性症、先天性白内障などの先天性のもの、糖尿病網膜症、緑内障、外傷、脳梗塞などによる後天性のものがあります。見えない程度も異なります。
・全盲
光を感じることすらできない、または明暗しか分からない状態。白杖や点字、音声案内などを利用することが多い
・弱視
メガネやコンタクトレンズを使っても、視力が十分に出ない状態。視野が狭い、物がぼやけて見えるなどの特徴がある
・視野障害
視力は保たれていても、視野が狭くなる状態
■視覚障がいのある方に聞いた「こんな場面で困っています」
□電車・バス編
・乗降口が一つのバスの場合、降りる人がいても分からず、すぐに乗ろうとしてしまうことがある
・優先席や空席を探すことが難しい
・行き先表示が分からず、目的地に行けない。駅員に尋ねたいが、居場所を探せない
・並んでいる列の最後尾がどこか分からず、横入りをしてしまうことがある
□お店編
・レジで並ぶ場所が分からない。同じ商品があった場合見比べることができない
□災害編
・アナウンス(音による情報)がないと次の行動がとれない
*案内や付き添いをお願いしたい時があります。困った様子があったときに、「大丈夫ですか?」の一言が大きな支えになります。
■ボランティア団体に聞いた「配慮のポイント」
ボランティア活動団体「草笛」は、視覚障がいのある方の外出時の誘導援助を行っています。会長の田澤さんと会員の廣田さんに、視覚障がいのある方への声掛けのポイントなどを伺いました。
Q.視覚障がいのある方が特に困る場面を教えてください
病院や飲食店では案内板や自動精算機、タッチパネルの操作が分からず、突発的な交通機関のトラブル時には対処ができません。歩行時には車止めのポールや自転車にぶつかりやすく、劣化の激しい点字ブロックは突起が分かりにくく危険なことがあります。
Q.声の掛け方や言葉の選び方で、工夫していることはありますか?
視覚障がいのある方を誘導する時は、安全確保に留意しながら正面から優しくハッキリと声掛けをしています。散歩途中に簡単な買い物がある時は、必要なものを聞き、品物を的確に伝えた上で、手で触れながら確認してもらう場合もあります。
Q.私たちが気を付けることはどんなことですか?
視覚障がいのある方は一人で外出中、すぐそばを通り抜ける自転車や、歩きながらスマホを操作する人などをとっさに避けられず、常に恐怖を感じています。また、白杖だけでなく耳からもいろいろな情報を得ているため、周りが騒々しいと必要な情報が入りにくくなります。
点字ブロックは、視覚障がいのある方にとって大切な情報源であり、道しるべです。点字ブロックの上で立ち話をしたり、荷物を置いたままにしたりするとぶつかってしまい、とても危険です。もし視覚障がいのある方が困っているのを見かけたら、積極的に声掛けをしてほしいです。
■視覚障がいのある方が利用できる 市のサービス
□サピエ図書館への取り次ぎ
「サピエ」は、情報を点字・音声データなどで提供するネットワークです。図書館ではサピエで検索できる資料を借りたり、サピエに個人登録をして資料をダウンロードすることができます。
問合せ:図書館
【電話】87-1001
□声の広報
ボランティアグループ「茅ヶ崎録音奉仕会」は、「広報ちがさき」の録音版を制作し、希望者にお届けしています。YouTubeでも聞くことができます。
広報シティプロモーション課【電話】81-7123
問合せ:障がい福祉課
【電話】81-7159