くらし [特集]もしかして認知症…?(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県大和市
- 広報紙名 : 広報やまと 令和7年10月1日号
家族や知り合いと接していて、「もしかして、認知症?」と思ったことはありませんか。気にはなるけれど、「どうすればいいか分からない」「まだ大丈夫なのではないか」など、漠然とした不安を抱いているかたも少なくないのではないでしょうか。
今号では、誰もがなる可能性がある認知症について、主に認知症の入り口にいるかたや、家族の不安、心配ごとを和らげるための情報を紹介します。
◆「まず何をすればいい?」が分かるガイドブックを発行
市は、認知症の相談先や医療・介護サービスの流れなどをまとめた「認知症とともに生きる旅のガイドー大和市版認知症ケアパス」を発行しています。シリーズ累計20万部を超えるヒットとなった書籍「認知症世界の歩き方」の著者、筧裕介氏が代表を務めるNPO法人issue+designとの協働で作成しました。若年性認知症グループ「わすれな草の会」の協力で、当事者のかたの声も取り入れています。
配布場所:保健福祉センター人生100年推進課、各地域包括支援センター(市のホームページからダウンロードも可)。
◆認知症について知っておくべき5つのこと
1 認知症とは
脳の病気や障がいなどさまざまな原因により、認知機能が低下したために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態のことを言います。認知機能とは、ある物が何であるかを解釈したり、思考・判断したり、記憶したりする働きのことです。
2 最も多い原因は加齢
認知症の原因としては、加齢に伴い発症するアルツハイマー型認知症が半数以上を占めます。90歳以上では、2人に1人が認知症の有病者という研究結果もあります。
3 認知症が身近な時代に
日本の認知症および軽度認知障害の人の数は年々増え、令和37年には1,200万人を超え、65歳以上の3人に1人が認知症になると予測されています。
4 症状は一人一人異なる
認知症の原因となった疾患の種類・周りの環境・これまでの暮らしなど、さまざまな要因によって、その症状・困りごとを抱える場面や進行具合は、人それぞれです。
5 完治はできないが、進行を抑えることは可能
認知症の多くは、根本的に治療する方法が確立されていません。しかし、薬や生活習慣の改善によって、症状の進行を抑えたり、予防したりすることは十分可能です。早い段階で発見し、早期に治療を始めることが大切です。
◆Q and A
Q:家族を病院に連れて行きたいのですが、本人が行きたがりません。
A:認知症のように見える症状が、違う病気によって発症していることもあるため、早期受診をお勧めします。受診に抵抗がある場合は、市の相談窓口、地域包括支援センターにご相談ください。
Q:認知症が疑われる家族の車の運転が心配です。
A:自動車は生活するうえで便利なものですが、とっさの判断や注意力、適切な操作などを必要とする運転は、認知機能が低下することで器物の破損や人を傷つけてしまうこともあります。運転することの危険性と本人の思いの折り合いをどうつけるか、難しさやもどかしさがあります。家族内の話し合いがうまくいかないときは、かかりつけ医や運転免許センターの高齢運転者支援室などに相談することをお勧めします。
Q:認知症の人と話すときに、どのように接したらいいですか。
A:事実と違っていたとしても、間違いを指摘せずに話を合わせましょう。「さすがだね」「ありがとう」など相手を尊重した声かけをするとよいでしょう。同じことを何度も聞かれた場合は、楽しい話題に切り替えて気持ちをそらしたり、可能であれば話し相手を代わってもらったりすることも大切です。また、高齢になると耳が悪くなり、話しかけられていることに気づかないこともあります。正面から話しかけ体を軽く触るなど、本人の意識を話している人に向けてみてください。
Q:認知症の母を介護していますが、散歩が好きなので道に迷わないか心配です。
A:安心して散歩できるよう、本人の洋服の裏や持ち物に連絡先を書いておき、近所の人に見守りをお願いしたり、市、警察などで個人情報を共有するSOSネットワークを活用したりするなど、家族に連絡が来るように調整しましょう。また、外出時間がおおよそ決まっている場合は、見計らって一緒に行こうと誘ってみましょう。
Q:認知症の人がやりたいことを、どのように聞き出したらいいですか。
A:本人の好きなテレビ番組や音楽、昔好きだったことの話をしてみましょう。認知症になると、新しい出来事から忘れる一方で、幼少期や青年期などの若い頃に好きだった物事は覚えています。昔のことを聞くことで、本人のやりたいことを知るきっかけになる可能性があります。
Q:認知症の予防のためにできることはありますか。
A:認知症にならないための予防法は残念ながらありません。しかし、認知機能の低下を少しでも抑えるために、適度な運動・食事・睡眠をとり、規則正しい生活を心掛けましょう。また、誰かと一緒に活動することや、誰かの役に立つこと、趣味を楽しむことなどを継続していくとよいです。
