くらし 大事な地域防災力 大涌谷での小規模噴火から10年(1)

2015年、大涌谷で小さな噴火が起きました。
あれから10年。箱根は火山とともにある町。
だからこそ、少しずつ防災についての取り組みを積み重ねてきました。
この機会に、ハザードマップや避難計画などを通して地域防災力について考えてみましょう。

■大事な地域防災力
地域防災力を強化する為には、自助、共助、公助の連携が不可欠です。大規模広域災害の発災時には、行政自身が被災して機能が麻痺するような場合があることが明確になっています。
この様なとき、発災後しばらくの間は、行政の支援を受けられないため、地域住民が自発的に避難行動を行ったり、地域全体で助け合って、救助活動、避難誘導、避難所運営等を行うことが重要になってきます。
また、神奈川県西部地震、南海トラフ地震等の大規模広域災害での被害を少なくするためには、地域住民一人ひとりや地域全体が、「災害はひとごと」と思わず、いつ発生するかわからない災害に備え、自分や家族でできること「自助」や、隣近所で力を合わせてできること「共助」を考え、日頃から備えておくことが減災や地域防災力の強化の為に重要となってきます。

■改正された「箱根山火山ハザードマップ」と「箱根山(大涌谷)火山避難計画」
最新の調査研究で、大涌谷以外にも古い火口跡とみられる地形が確認されたことから、新たな想定火口域の設定とハザードマップに関する検討が行われ、令和6年度にはその結果に基づいた箱根山(大涌谷)火山避難計画の見直しを進めることとなりました。令和7年3月26日(水)に行われた箱根山火山防災協議会において「箱根山火山ハザードマップ」と「箱根山(大涌谷)火山避難計画」改定案が承認されました。

※マップは、本紙P.7をご覧ください。

■災害の被害を減らせる
災害を〝避ける〟ことはできなくても、〝被害を減らす〟ことはできる。町はこれからも、火山とともにある暮らしを見つめながら、日々の備えを進めていきます。では、そもそも「火山とともに暮らす」とは、どういうことなのでしょうか―。
次のページでは、箱根の成り立ちを知る「ジオパーク」の視点から、防災を考えてみます。

■日頃からの減災対策を
減災への取り組みは、災害による被害を最小限に抑えるため。
あなたの取り組みを確認してみませんか?

《減災意識度チェック》
・自宅付近の避難場所や避難所までの経路を理解している
・ハザードマップで自宅周辺の危険個所を確認している
・気象情報(警報など)を日頃からチェックしている
・町が発令する避難情報の内容を理解している
・食料や飲料水などを一人当たり最低3日分は備蓄している
・非常持出し品は、わかりやすい場所に置いてある
・備蓄品や非常持出品を定期的に点検している
・家族で災害時の連絡手段を決めている
・災害用伝言ダイヤルの使い方がわかる
・自治会活動などで、日頃から地域とつながりがある