くらし 出発進行!かぼでん通信

このコーナーは「かぼちゃ電車保存会」が愛するかぼちゃ電車について紹介します

かぼちゃ電車保存会
会長 平田 翼さん

1999年に保存が始まって以来、最大規模の専門業者による車両修復工事が完了しました。今回は、その中でもかぼちゃ電車にとって特徴的な修復箇所を紹介します。毎年「走れ!かぼちゃ電車」で活躍するモハ11号では、車内外の修復に加え、走行に欠かせない空圧配管(※(1))の補修も実施。車内では、破れが目立っていた座席シートや開閉できない箇所のあった窓も整備され、安全で快適に乗車できるようになりました。特に大規模な修復が行われたのが、荷物電車のモワ51号です。腐食が進んでいた部分には外板の張り替えや骨組みの補強が施されました。外板を車体骨組みに取り付ける工程では、戦前製車両特有の部品・リベット(※(2))型の特注ネジを約400個手作業で一つ一つ丁寧に取り付け、当時の風貌を復元しました。
一見すると、ピカピカな外観に「きれいに塗装した」としか感じないかもしれませんが、今回紹介したように、細部まで専門業者さんの真心のこもった手が入っています。ぜひ9月28日(日)の「走れ!かぼちゃ電車」で、1人でも多くの皆さんに間近でご覧いただければ幸いです

※(1)ブレーキや警笛、ドアの開閉などに使われる圧縮空気を送るためのパイプ
※(2)溶接が普及する以前に使われていた留め具