イベント 市民オペラ通信vol.2

11月1日(土)・2日(日)に開催する市民オペラ『ラ・ボエーム』に関する情報をお届けします。
今号では『ラ・ボエーム』公演のピアノ演奏を担当する河原忠之先生に市民オペラへの想いや、第1回の『愛の妙薬』、第2回の『カルメン』での思い出などをお聞きしました。

【INTERVIEW】河原忠之(かわはらただゆき)さん
◎オペラは一瞬で終わります。でも思い出は永遠です。

日本を代表する歌手が共演者に指名する人気ピアニスト。その幅広い音色と繊細な表現には定評があり、小千谷市民オペラには第1回『愛の妙薬』から参加。また、指揮者の意向を伝えながらプロのオペラ歌手を稽古する指導者、「コレペティートル」として数々の主要なオペラ公演に参画している。

▼オペラの伴奏で、最も気を遣っているところはどこでしょうか。
(河原)伴奏では、「合唱と歌手」、「オーケストラ」そして「お客さんの反応」、この3つのバランスをとることが非常に難しいです。出演者の意図を瞬時に察知し、リードしなければいけないのですが、それをピアノを弾きながら両手がふさがった状態でやらなければならない。例えば、首を動かしたり息を大きく吸ったりして合図を送るのですが、これがとても大変で、1番難しいなと思います。

▼これまで市民オペラに携わった感想と、過去2回から変化した点を教えてください。
(河原)1回目は、満席の会場で観客が一喜一憂して、手拍子などが1つになっていたのがとても印象深いです。元々オペラが生まれた時代はこうだったんだなと感じ、不覚にもそのときは涙が出てしまいました。市民オペラのような取組を続けるのは難しいのですが、2回目をまさか闘牛場で公演するとは思いもよりませんでした。夕方になるにつれて暗くなる闘牛場で、舞台が音楽や自然と一体化した空間に勢子(せこ)さんの「ヨシター」という掛け声が入った場面がとてもすてきでした。
今回の『ラ・ボエーム』はこれまでと比べて繊細な場面が多く、合唱のシーンにはおおぜいの方が出演するので難易度が上がっています。また『ラ・ボエーム』は1人の死を受けて、残された人々がそれぞれの想いとともに前に進む物語で、出演者全員が主役のオペラと言えます。合唱団はもちろん成長してきているし、一言では言えないけれど、今後も回を重ねる度に参加者が増えていきそうな雰囲気を感じています。

▼最後に、この公演を楽しみにしている市民のみなさんにメッセージをお願いします。
(河原)今回の小千谷市民オペラは、一流の歌手である中島康晴さんが演出家として初演出します。ミラノのスカラ座で『ラ・ボエーム』に出演したこともある中島さんが、さまざまな趣向を凝らしながら演出をつけてくれます。そして、オーディションによる選りすぐりのメンバーや、私が声をかけた第一線で活躍する一流の方々が出演します。
初めて公演を見る方にも、過去2回に続いて見に来てくださる方にも、どのようにしてオペラのすばらしさを伝えていくのか、非常に難しいことだと感じています。芸術の中でも特に音楽は形として残ることはなく、公演が終わってしまえばそれでおしまいです。でも、今も私の心の中には1回目の『愛の妙薬』と2回目の『カルメン』がずっと残っています。「オペラは一瞬で終わります。でも思い出は永遠です。」これがオペラの最もすてきな部分ではないでしょうか。

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