くらし さばえの酒造り 自然と文化が育んだ地酒のまち(1)
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- 自治体名 : 福井県鯖江市
- 広報紙名 : 広報さばえ 令和7年12月号 通常版
めがねのまちとして知られる鯖江市ですが、実は酒造りも盛んな地域です。市内には「井波酒造」「加藤吉平商店」「豊酒造」といった歴史ある酒蔵があり、それぞれが個性豊かな地酒を造っています。
今月は、寒仕込みが本格化するこの時期にぴったりの地酒特集です。
■なぜ鯖江で酒造り?
◇自然が育む酒造りの環境
鯖江は日野川の伏流水や白山連峰の伏流水など豊富な水に恵まれています。冬の厳しい寒さも酒造りに適しており、軟水からまろやかで繊細な味わいの酒が生まれます。
◇地元の米と職人の技
福井県産の酒米「五百万石」などを使用し、地元農家と連携した酒造りが行われています。職人の丁寧な手仕事によって、地域の風土と想いが一杯の酒に込められています。
◇歴史ある酒蔵
井波酒造(創業1806年)、加藤吉平商店(創業1860年)、豊酒造(創業1753年)など、江戸時代から続く酒蔵が、祝いの場から日常までを彩る酒を造り続けています。
◇鯖江から世界へ
純米酒にこだわった酒造りは、国内外で高く評価され、鯖江の酒は世界100カ国以上に輸出されています。
鯖江の酒造りは、自然と人、そして歴史が織りなす地域の宝です。ぜひ一度、地元の酒蔵を訪れ、鯖江の魅力を味わってみてください。
■鯖江のお酒いろいろ
◇井波酒造「七(なな)ツ星(ぼし)」 個性豊かな純米酒
創業200年以上の歴史を持つ井波酒造。代表銘柄「七ツ星」は、昔ながらの酒造りを大切にしながら、食中酒として楽しめる味わいを追求しています。米の旨みとキレのある辛口が特徴。冷酒で爽快、燗酒で深みが増し、料理を引き立てます。
「七ツ星」は県内でも限られた酒販店でしか手に入らない、知る人ぞ知る一本。独自のスタイルで酒造りを続けています。地元の米と水にこだわり、伝統的な製法で仕込むその味わいは、福井の風土を感じさせる一杯です。
住所:有定町1-1-22
【電話】51-0020
◇加藤吉平商店「梵(ぼん)」 世界に広がる、福井の酒
地下水を使用し、完全無添加で仕込む酒造りが大きな特徴です。その品質の高さは昭和天皇の即位式で地方選酒として選ばれるほど。以降も国の重要な式典で採用されてきました。
1988年にはカナダで開催された国際酒祭りで1位に。その知名度は海をも超えており、現在では100を超える国々に輸出しているそうです。「梵」はケーキなどの材料にもなっているほか、コロナ禍ではその名を冠した消毒用アルコールが大活躍。幅広い用途で日本酒の魅力を発信しています。
住所:吉江町1-11
【電話】51-1507
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜・祝日(年始・旧盆に不定休あり)
◇豊酒造「華燭(かしょく)」 福井の米で醸す、華やかな一杯
福井県産米だけを使った酒造りが特徴の豊酒造。主に使用する酒米「五百万石」は、旨みがしっかり感じられるのが特徴です。
注目は、12代目がコロナ禍に開発したスパークリング日本酒。爽やかな味わいで、国内の品評会で2度の受賞歴があります。銘柄「華燭」は“ウエディングキャンドル”の意味を持ち、スパークリング日本酒が結婚式やホームパーティーの乾杯酒として広まってほしいという蔵元の願いが込められています。現在、約20種類の酒を製造。楽しみながらさまざまな味わいの酒造りを追求しています。
住所:下野田町38-70
【電話】62-1013
営業時間:10:00~18:00
定休日:年始(1月1日~3日)、不定休
◇茂右衛門農場「こしのひかり」
米づくりから酒造りまで、すべてが福井産。自然と人の手が育てた、地元の誇りが詰まった純米吟醸酒。
・味の特徴…まろやかな口当たりとフルーティな香り。白ワインのような飲みやすさ。
・こだわり…もうえもん農場が育てた「ピロール農法コシヒカリ」を100%使用。
・ひとこと…「福井の米・水・酵母」で醸す、まるごと福井の味。
販売店:もうえもん農場直営オンラインショップ
住所:大野町29-21
【電話】29-0030
◇河和田地酒「おしどり」
地域住民と学生が協力して造る、河和田発の限定酒。地元に生息する愛らしい鳥が名前の由来。
・味の特徴…透明感のある芳醇旨口。フルーティな香りで、初心者にも飲みやすい。
・こだわり…河和田産の五百万石を使用し、加藤吉平商店が醸造。氷温熟成でまろやかに。
・ひとこと…地域の絆と郷土愛が詰まった、里山の恵みの一杯。
販売店:井上酒店(10:00~17:00、日曜・祝日休)
住所:河和田町14-41
【電話】65-0109
