- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県美浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年4月号 No.651
■日本遺産認定記念講演会を開催しました
2月22日に、北西郷公民館ふでやま講座・みはま歴文講座共同企画「ふるさとの歴史再発見講座」『日本遺産「北前船ストーリー」と地域の活性化・事例紹介』と題して、一般社団法人北前船交流拡大機構・上席研究員の中野秀治氏を講師にお招きし、ご講演頂きました。
日本遺産には現在、104のストーリーが認定されており、さまざまなストーリーの中で、北前船日本遺産推進協議会から文化庁へ「北前船のストーリー」を申請し、審査後に認定されたもので、平成29年、11市町が認定され、現時点では52自治体が認定されています。
北は北海道から南は広島県まで広範囲で認定されており、講演の中でいかに北前船が、「のこぎり商い(積み荷を売り、新たに商品を仕入れたりを繰り返す)」を行うために、複数の地域に寄港していたか、また、物資だけではなく、祭り・唄・踊り・信仰等無形の文化も、各地域に伝播し、現在に継承されているものも数多くあることをお話しされました。
併せて、他の認定地域の活性化事例をご紹介頂きました。青森県の三町が共通ロゴを用いてPR活動する行政主導型の事例、また、古民家を活用したカフェや、北前船時代の食事を再現し提供するレストラン等、多方面からの活性化を目指す石川県加賀市の地域住民主導型の事例を挙げておられました。
活動を円滑に推進するには、中心となる意欲的なリーダーが必要不可欠である事を強調されました。そして、最重要課題は、地域のコンセプトとして何を売りにするのかを考察し、観光資源を開拓していくべきとのことでした。また、北陸地方の認定自治体や、鉄たたらを積み荷の軸としていた市町村との交流・連携を深めていくとよいのでは…というご提案をいただきました。
当日は、町内外から多くのご参加をいただき、「町内の構成文化財保有の各地区・各保有者の連携を進めてみてはどうか」「インバウンド誘致も大事だが、まず国内にPRをしていきたい」等、活発な意見もありました。外は雪景色になりましたが、会場内は、北前船で地域の活性化を!という受講者の皆さまの決心と熱意が伝わる大変有意義な講座になりました。講師の経験に基づく興味深いお話とアドバイス、そして受講者の方々の北前船にかける熱い想いをしっかりと受けとめ、「動く総合商社」である北前船の寄港地であることに誇りを持ち、史実を生かした地域活性化に向けて、地域と連携したまちづくりを進める上でも大変学びの多い講座となりました。
(美浜町歴史文化館)