くらし 《シリーズ》〜小菅の里及び小菅山の文化的景観〜

■せせらぎの景観
小菅では特徴的な水利用がみられます。断層活動や山体崩壊による湧水や北竜湖などの湛水(たんすい)域の形成により水に恵まれ、小菅ではこれらを水源として数多くの水路を設け、生活用水や農業用水として利用してきました。民家の敷地内には「カワ」と呼ばれる池を設け、洗いものや消雪等に利用するほか、明治期までは敷地の裏にも水を引き入れて紙漉きを行っていた民家もあります。近世には北竜湖から「ひましめ水路」と呼ばれる用水を引いて水利を安定化させ、現在も灌漑用水として機能しています。居住地の西側では水田や畑が営まれており、石積みの水路を見ることができます。