くらし 《人権学習シリーズ》公正な採用選考をお願いします

飯山公共職業安定所長  岡部瑞穂

就職の機会均等を確保するため、採用選考の基本的な考え方として、「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」、この二点を基本的な考え方として実施することが大切です。
そして、公正な採用選考にあたっては、「応募者に広く門戸を開くこと」「求人条件に合致する全ての人が応募できるようにすること」が大切です。
また、採用選考では「本人の責任のない事項((1)本籍地、(2)家族の職業、(3)住宅状況、(4)生活環境・家庭環境等)」や「本来自由であるべき事項((5)宗教、(6)支持政党、(7)人生観、生活信条、(8)尊敬する人物、(9)思想、(10)労働組合、(11)購読新聞・雑誌・愛読書等)」を面接やエントリーシート等により把握することは、就職差別につながるおそれがあります。
事例として、面接で応募者をリラックスさせるために身近で応えやすい家族について話題として質問をしてしまうケースがあります。差別の意識がなく把握した場合でも、知らないうちに予断や偏見を招き、本人に対する評価にフィルターがかかり、把握したことが採否決定に影響を与え、就職差別につながるおそれがあります。
事業主の皆様におかれましては、公正な採用選考の考え方についてご理解いただきまして、差別のない公正な採用選考の実施に向けたさらなる取組をお願いします。
なお、厚生労働省(ハローワーク)では、各種の啓発資料を作成し配布等しておりますので、ハローワーク飯山(【電話】0269-62-8609)までご相談ください。