- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年4月号
■サッカーの移行に携わった関係者対談会
~培ったノウハウを他の種目へ活かしていくため~
昨年度、先行モデルとしてサッカーの試行的な地域移行に取り組みました。今回は、教育委員会、学校、統括コーディネーター、スポーツ協会、地域クラブのそれぞれの立場の皆さんからお話をお伺いしました。
・教育長
(山)口 千春さん
今回の司会を務めます。
・東部中学校 校長
(盛)野 憲俊さん
・東御市スポーツ協会 会長
(加)藤 行孝さん
・統括コーディネーター
(池)田 和生さん
・セレージャ東御
(中)村 太基さん
(山)この度、先行モデルとしてサッカーの試行的な移行に取り組まれた関係者の皆様から、それぞれの異なる立場で、お話を聞かせていただきたいと思います。まず、どのような経過でサッカーが先行モデルとなったのでしょうか。
(池)統括コーディネーターである私自身が東御市サッカー協会に所属していることが理由でもありますが、サッカー協会では以前から、地域の子どもは地域で育てたいという思いがあり、検討することになりました。サッカー協会には、東御JFCという小学生のクラブチームが加盟しており、そのチームに中学生部門を設立する方向で調整を行いました。子どもたちが中学生になっても安心してサッカーを行える環境を市内で整えていきたいという想いから、先行モデルとして進めていきたいと考えました。
(山)先行モデルとして、サッカーを進めていくと初めて聞いたとき、校長先生は、どのように感じましたか。
(盛)非常にありがたいと思いましたし、統括コーディネーターの池田さんを始め、サッカー協会の皆さんが本当に苦労して調整にあたっておられることもお聞きしていましたので、学校としてもどうにかスムーズに移行を進めていきたいと感じていました。
(山)学校の先生方には、どのように説明をしていったのですか。
(盛)学校の先生には、非常にありがたい話をいただいていることと、学校としては、全力で協力していこうということを伝えました。例えば、スムーズに移行を進めていくためには、サッカー部の顧問だけでなく、クラス担任などの協力も必要になると考えていました。そのため、地域移行に関する協議の内容や進捗状況は、サッカー部の顧問だけでなく、職員会などを活用し、すべての先生に伝わるようにして学校全体で支えていけるようにしてまいりました。
(山)今回、試行的に移行を進めてまいりましたが、ご苦労が多かったと思います。もう少し取り組みの様子をお伺いしたいと思います。
(池)手探りながらも、地域クラブの運営主体や指導者の確保、活動内容や場所の検討、中体連主催の大会への出場資格の確認、学校・教育委員会との協議、生徒・保護者への説明など、地域移行に向けて一連の調整を行ってきました。その中で、セレージャ東御では、思春期である中学生をお預かりしていくにあたり、地域クラブとして独自の規約を作成しました。その規約には、体罰や暴言など社会のルールに反する指導は行わないなどという当たり前のことはもちろん、サッカーを通じて心身ともに人間性豊かな子どもの育成を行っていくことも定めています。こうした規約は、他の種目・競技においても参考になるものだと感じていますし、今回経験した、地域移行までの一連の過程を他の種目にも示していくことで、他の部活動への波及にもつなげていけるのではないかと考えています。