くらし 3月は自殺対策強化月間です~ゲートキーパーを知っていますか?~

自殺は、ほとんどの場合突発的に起きるわけではなく、その人なりのプロセスをたどった結果起きると考えられています。例えば、リストラや借金、離婚、病気などの個人的なネガティブイベントがあり、そこにさまざまなストレスが累積していくと、しばしば体や日常行動に影響が現れるようになります。このような状況からの自力での脱出が難しくなると、うつ状態に陥り、自殺に至ってしまう可能性があります。このプロセスから脱出するためには、周囲のサポートが何よりも大切です。

■気になるサインを見逃さない
悩みや問題を抱え込んで自殺を考えている人は、「死にたい」と「生きたい」の間で揺れ動き、様々なサインを出していることが多いです。まずは、周囲の人がそのサインに気づき、声をかけ、悩みを打ち明けるきっかけを作ってください。このように「気づき」「支え」「見守る」ことが重要です。

▽気になるサイン
心配される「気になるサイン」には、次のようなものがあります。
・真面目な人が無断欠勤する
・部屋に閉じこもる
・口数が極端に減る
・周囲への関心がなくなる・新聞やテレビを見なくなる
・大事なセルフケアをおろそかにする(必要な薬を飲まないなど)
・薬をため込む
・包丁やひもを隠し持つ
・大切なものを人にあげたり、整理する
・「生きていても迷惑をかけるばかりだ」など、自分を責めるような言葉が増える
・「消えたい」「死にたい」など、死や自殺をほのめかす発言をする

■ゲートキーパーは「命を守る門番」
ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、その人の話を聞き、必要な支援につなげ、見守る「自殺のプロセスからの脱出をサポートする人」のことをいいます。特別な資格は必要なく、誰でもゲートキーパーになることができます。

▽ゲートキーパーの4つの役割
1.「変化に気づく」…周囲が「何かおかしい」「いつもと違う」と感じたら要注意!家族や仲間の変化に気づいたら「元気ないけど、どうしたの?」などと声をかけましょう。
2.「じっくりと耳を傾ける」…悩みを話してくれたら、話しやすい環境を作って、否定したり、話をそらしたりせず、聞き役に徹して、相手のつらい気持ちに寄り添って耳を傾けましょう。
3.「支援先につなげる」…問題の解決には、専門家の力が必要になることがあります。本人の意思を尊重しながら、専門の相談機関窓口へつながるようにサポートしましょう。
4.「温かく見守る」…身体やこころの健康状態について、自然な雰囲気で声をかけ、やさしく寄り添いながら見守りましょう。専門家につないだ後も、「見守ってくれる人がいる」ことは、悩んでいる人にとっても心強く、その人を孤立させないことにつながります。

自殺は、予防できる可能性がある死です。一歩踏み出して、みんなで寄り添っていきましょう。

■ゲートキーパーを知っていますか?ゲートキーパーQ and A(内閣府ゲートキーパー養成研修テキストより)
▽初級編
Q.悩んでいる人は、そっとしておいてあげた方がいい。
A.悩んでいる⼈は孤独感があり、悩みを⾃ら話せない場合も少なくありません。温かい声かけは悩んでいる⼈に安⼼感を与え、悩みを相談して良いのだと思うきっかけにもなります。「良く眠れてる?」「疲れてない?」など、まずは声かけから始めてみませんか。

▽中級編
Q.「死にたい」と⾔われたら、できる限りその話に触れないようにする。
A.「死にたい」と⾔っている⼈は死なないというのは誤解です。「死にたい」と⾔われたら、その気持ちを真剣に受け⽌め、悩んでいることについて、良い・悪いの判断をしたり、批評をしたりはせず、まずは話を聞くことが⼤切です。

▽上級編
Q.「死にたい」と⾔われたら、具体的な計画があるかなど危険性を確認することが⼤切である。
A.「死にたい」言われたら、自殺を具体的に計画しているか・手段を確保しているか・いつ頃からそう考えているか・どの程度持続しているか・どの程度その思いが強いか・客観的に焦燥感があったり、遺書を準備したりしているかなどの⾏動を確認することが必要です。

問合せ:福祉保健課保健係
【電話】0574-54-2117