くらし 町史を読む

■やすらぎの里・隠居山観音の歩みについて町史を読んでみました

今月の特集でご紹介した隠居山観音。ここでは、町史の記述から、この地の歴史と魅力を紐解いていきましょう。

○かつて信仰を集めた観音様
巨岩と木々に囲まれた隠居山には、三十三体の観音石像が静かに祀られています。大正11年には県下10名所の一つに選ばれるほど信仰を集めましたが、戦後は人々の足も遠のき、一時は荒廃していました。

○地域住民による復興の願い
「この素晴らしい場所を再び」という地元住民の強い願いが、復興のきっかけとなります。昭和40年代後半には町の援助で散策道が一部改修され、山麓の立弘法も信者の手で守られ続けました。

○「やすらぎの里」としての再生
平成の時代、白川町の「ふるさと創生」事業の一つとして、この地を「やすらぎの里」として後世に伝える計画が始動。同時期に龍氣寺が移転新築され、岩山林道も開通したことを受け、町は両者をつなぐ「やすらぎの里自然歩道」を整備。平成3年から6年にかけての整備を経て、現在の「やすらぎの里」が完成しました。

○心安らぐ癒しの空間へ
木漏れ日の小道を歩けば、鳥のさえずりや木の葉のささやきが心地よく、穏やかに微笑む石仏たちが迎えてくれます。かつての信仰の地は、今、心安らぐリトリートスポットとして多くの人を癒しています。ぜひ、一度足を運んでみてください。