くらし 町立図書館 楽集館だより

下記の予定等は、状況により変更することがあります。
すぐメール・ホームページなどでご確認下さい。

■7月のカレンダー

■新着本紹介
▼腕が鳴る
著者/桂望実 発行/祥伝社
夫に先立たれたタカ子は、モノを買い込んで家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。

▼ちょっと具合のよくないときのごはん
著者/倉嶋里菜 発行/日東書院本社
風邪気味、眠れない、食欲がわかないなど、ちょっとした心身の不調を整えるための簡単に作れるレシピをお悩み別に紹介。

▼夜の日記
著者/ヴィーラ・ヒラナンダニ 発行/作品社
独立とともに、インドとパキスタンのふたつに分かれてしまった祖国。少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。

▼へんしんする家のひみつ 和室はふしぎ
著者/上西明 発行/ほるぷ出版
農家の家と町家の家、2つの和室の家を描き、和室のくらしかたと、和室の家の特徴である「変身する和室」の秘密を紹介。

■今月のMINI GALLERY and THEME BOOK
・ミニギャラリー
「光の子保育園 園児作品展」
・テーマブック
「しらべよう!つくろう!夏休み」

■館長だより
▼天北原野(てんぽくげんや)
天北原野は北海道の北部、天塩川(てしおがわ)流域に広がる原野です。この地を何度か旅行しましたが、日本海越しに利尻岳(りしりだけ)が見えて壮大な景色が印象に残っています。三浦綾子著『天北原野』(新潮文庫)に出てくる花に「エゾカンゾウ」があります。6月号で紹介した「ユウスゲ」と同じ種に属しますが濃い橙色の花で、広大な原野によく似合う花です。
小説では、主人公、孝介と貴乃(きの)は相思相愛の仲でしたが、横恋慕した完治と結婚することになってしまいます。失意の孝介はカラフト(現在サハリン)に渡り、財を成して貴乃の前に現れ、完治の妹あき子と結婚します。孝介の真意を知ったあき子は自暴自棄になり、やがて亡くなってしまいます。心の闇も描かれていて、人は刃物が無くても死に至らしめることができるのだと思いました。太平洋戦争を挟んで紆余曲折の人生を歩んだ二人ですが、ラストはエゾカンゾウが咲き乱れる原野に立ち、利尻岳と夕陽を見ながら、来し方と行く末を語り合います。複雑な人間関係もさることながら、道北の大地の描写や空気に触れて、暑い夏に「涼」を感じてみてはいかがでしょう。

開館時間:
平日 午前9時~午後7時
土・日・祝日 午前9時~午後5時

本の除菌機をご利用ください。

問合せ:美濃白川楽集館
【電話】74-1022