くらし 【特集】人にやさしく 3月は自殺対策強化月間です。(2)

3月は自動車学校がにぎわう時期。多忙になればなるほどストレスも感じやすくなります。昨年、市が実施したゲートキーパー養成講座を受講したきせがわ自動車学校の指導員の篠原さんと受付の鈴木さんに、多忙な時期の合間を縫ってインタビューしました。

―本日はよろしくお願いします。お時間をいただきありがとうございます。
[篠原]高校を卒業する人を中心に、入校生が最も多い時期なんです。2月からは教習の開始時間を午前8時30分に早めているんですよ。
[鈴木]受付もたくさんの人でにぎわっています。いつにも増して気が抜けないですね。
[篠原]おかげさまで楽しく指導していますが、勤務時間が長く、家族と過ごす時間が限定されてしまいます。
[鈴木]なんとなく周囲がぴりぴりしていると、どうしても気を使いますね。

―お疲れさまです。多忙な時期に仕事をするうえで、気をつけていることなどはありますか。
[鈴木]誰に対しても普段から笑顔で接するように心がけています。にこにこしていれば、周りの人も話しかけやすくなるかなって。
[篠原]本校は職員全員が「ほめ達!検定」を取得している、いわばほめる達人揃いなんです。受講生だけでなく多忙になればなるほど、職場の仲間もほめてほめて、明るい雰囲気をつくるようにしています。

―きせがわ自動車学校のSNSを見ると、明るい雰囲気が伝わってきます。市のゲートキーパー養成講座を受講して気づいたことはありますか?
[篠原]実は、ゲートキーパーって知らなかったんですよ。養成講座を受講して、聴くこと、気づくことが大切なんだなって知りました。
[鈴木]「共感」のコミュニケーションを大切にするようになりました。悩みや相談事に対して、解決策を提示できることって少ないので「うんうん、そうだね」って理解して、寄り添ってあげることが大事なんだと思います。
[篠原]指導員は、本当にたくさんの人と接する仕事なんです。相手に合わせて話し方のリズムを変えたり、言葉を選んでコミュニケーションをとったりするというゲートキーパーの心構えは仕事にも役立っています。

―二人とも、立派なゲートキーパーですね。普段から取り組んでいることはどんなことでしょう?
[篠原]受講生に対しても、職場の仲間に対しても、細かなことに気づけるようにアンテナを高くしています。講座を受講しましたが、細かい部分って忘れがちなので、仲間と一緒に改めて考える機会を設けてみようかな。
[鈴木]雰囲気づくりに磨きをかけていきたいです。意識して口角を上げていると、周りの人も話しかけやすくなるって習いましたから。
[篠原]鈴木さんが「お疲れさまです」って微笑んでくれると疲れも飛ぶような気がします(笑)。

―ありがとうございました。これからも安全運転のできるドライバー・ライダーを送り出してください!
[鈴木]このような機会をいただいて、改めて講座の内容を振り返ることができました。こちらこそありがとうございました!
[篠原]ゲートキーパーって職業ではないので、気負わずにいたいですね。私たちの経験が一人でも多くの人に響いたらいいなと思います。ありがとうございました。