子育て 〔教育特集〕全ての子どもの幸せを願って(2)

■市の取り組み1 登校支援を要する子どもたちとその家庭への支援
市では、登校支援を要する子どもたちやその保護者を支えるために、さまざまな支援を行っています。今回は、「学校福祉部」、「心の教室」、「チャレンジ教室」の3つの支援を紹介します。

〔1〕教育委員会「学校福祉部」~子どもや保護者の悩みに寄り添う~
学校福祉部では、登校支援を要する子どもとその家庭への支援のほか、学校生活に不安を感じている子どもや、発達などで特別な支援を要する子どもに関する相談を受けています。

学校生活の基盤となる家庭の相談や保護者や子どもへの福祉的なサポートも行っています。
子ども支援課と家庭支援課が、こども相談課(子ども家庭センター)、地域福祉課、医療機関などと連携を図って、一人一人に寄り添った支援となるよう努めています。
対象:全児童生徒とその保護者

問合せ:子ども支援課
【電話】625-8159

○エピソード 職員の声
学校福祉部子ども支援課 山下(やました)歩美(あゆみ)指導主事
Aさんは、小学校低学年から登校支援を要するようになり、学校と家庭、市教育委員会はさまざまな支援策を講じましたが、家に引きこもる生活が数年続いていました。
この間、学校と市職員はAさんの母親と月1回の面談を継続し、Aさんを思う母親の気持ちに寄り添い続けました。中学3年になって、Aさんは母親と一緒に市役所で市職員と会うことができるようになり、通信制高校入試に向けて努力を重ね、見事に合格しました。
Aさんは在宅学習でなく通学することを自分で選択し、4月からの高校生活で充実した日々を過ごしています。

〔2〕「心の教室」~校内の安心空間~
心の教室は、学校には通学できるけれども教室に入ることが難しい子どもたちが、校内で安心して過ごす事ができる「教室以外の居場所」です。
個別に自分で決めた活動や教科学習に取り組むことができます。

「社会の中で自立的に生きる基礎を培う」ために、最も大切なことは、子どもが自分で決めて、自分の責任で行動することです。子どもが安心して、学習や活動に取り組むことができるよう、心の教室相談員を中心に学校の全職員で支援しています。
※心の教室の名称は、学校ごと異なります。
場所:各小中学校

問合せ:在籍する小中学校へ相談してください

○エピソード 学校の声
焼津中学校 池田(いけだ)純也(じゅんや)校長
Bさんは、小学4年の中頃から学校に足が向かなくなりました。その後、学校以外の学び場である「チャレンジ教室」に入級し、少しずつ前を向くようになると、中学2年の時に、自分の意志で学校の「心の教室」にも月に数回ですが通い始めます。
中学3年になるとほぼ毎日「心の教室」に通うようになり、その日の学習内容を自ら決めて机に向かうことが習慣になりました。「心の教室」で多くの先生と会話をすることで笑顔も増え、自分のクラスで授業を受ける日もありました。
中学校卒業後は高校に進学し、3年間ほとんど休まずに高校生活を楽しく過ごし卒業しました。

〔3〕「チャレンジ教室(教育支援センター)」~もうひとつの学びの場~
チャレンジ教室は、学校にはなかなか足が向かない子どもたちが通う、「学校以外の学びの場」です。
自分で決めた活動のほか、教科学習、運動、遊びやゲームを通した体験活動、チャレンジ教室に通う仲間との交流活動など、さまざまな活動に取り組みます。

県内で教育支援センターが3カ所以上設置されている市町は、焼津市と他3市だけです。
心配なことや悩みなどがあるときには、カウンセラーやスタッフが話を聞いて相談にのります。
また、保護者の「お子さんの登校に関わる悩み」などについて、その軽減や解消に向けてカウンセラーやスタッフが話を聞いて一緒に考えます。
場所:市内3カ所(市役所アトレ庁舎内、市役所大井川庁舎内、旧東益津幼稚園)

問合せ:在籍する小中学校へ相談してください

○コメント 指導者の声
東益津チャレンジ 見崎(みさき)聡(さとし)指導員
「チャレンジ教室」では、自ら「やりたい」を見つけ「やってみる」を大切にしています。そうすることで、その1日を笑顔で過ごし、その積み重ねで自己肯定感が高まると考えているからです。
保護者の皆さんと共に、子どもがエネルギーを蓄える時間を大切にしながら、焦らず、ゆっくり、じっくりと子どもたちが歩みを進める居場所となるよう努めています。