子育て 〔教育特集〕全ての子どもの幸せを願って(3)

■市の取り組み2 学校に足が向かなくなる前に早期対応・未然防止
登校支援を要する子どもたちは、年齢(学年)が上がるにつれて増加する傾向にあります。市では早期対応と未然防止に力を入れています。

〔1〕早期対応~心配な様子が見られたら~
子どもに何かしら心配な様子や気になる姿が見られた時には、できるだけ早い段階で家庭と学校とで連絡を取り合って話し合い、対処することが大切です。
毎日の生活を振り返って、心配な様子は見られませんか。
下記の項目に該当しないか確認してみましょう。

○家庭での状況に関すること
〔行動〕
(1)起床時刻が次第に遅くなり、なかなか起きにくくなる
(2)夜遅くまで、スマートフォンやゲームなどに熱中する
(3)外出が減り、自分の部屋で過ごす時間が多くなる

○身体の調子に関すること
〔行動〕
(1)頭痛や腹痛などの身体の不調を訴えることが多くなる
(2)過度に食べたり、極端な食欲不振が見られたりする
(3)身体のだるさが抜けず、倦怠感(けんたいかん)がある

○感情の変化に関すること
〔行動〕
(1)ささいなことで感情的に反応することがある
(2)何もする気が起きず、無気力な状態が続く
(3)周りの評価を気にするなど、不安な気持ちになる

○行動の変化に関すること
〔行動〕
(1)学校の様子を聞いても、ほとんど答えない
(2)遅刻や早退が増えている
(3)友達と会うのを避ける

▼心配な様子や気になる姿が見られた場合は早めの相談を
お子さんに何かしら心配な様子や気になる姿が見られた時は、できるだけ早い段階で学校や教育委員会に相談してください。
学校では、欠席が続くなどした場合に、保護者に連絡をして、「家での様子」や「お子さんの様子で気になることがないか」などについて問い合わせるよう心掛けています。
また、校内では、普段から教員の間で子どもたちの様子などの情報を共有するよう努めています。そして、登校支援を要する兆しが見られた場合には、関係教員で情報を共有すると共に会議を開くなどして対策を検討し対応しています。

問合せ:在籍する小中学校へ相談してください

〔2〕未然防止~自分で考え、判断し、行動する人に~
子どもの言動を決定づけたり、制限したりする指示はできるだけ控え、たとえ失敗しても子どもが自ら判断し、自ら動き出すよう意図的に働きかけることが大切です。

焼津市教育委員会 羽田(はねだ)明夫(あきお)教育長
○学校が安心できる場所であることが重要
文部科学省が全国の小中学校に対して行った調査では、不登校児童生徒について把握した事実として「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談」「不安・抑うつの相談」「生活のリズムの不調に関する相談」「学業の不振や頻繁な宿題の未提出」などの事例が上位を占めていました。
この結果からも、子どもが学校生活を楽しいと感じること、学校が安心して笑顔で生活できる場所であることが重要だと分かります。

○自主自立した子どもたち
各学校では、子どもたちにとって魅力ある学校を目指して、子ども主体の授業や行事が実現するよう努めています。また、子ども同士の温かな人間関係を築くことができるような働きかけにも心掛けています。
また、自分で考え判断し行動する子どもは不登校になりにくいことも分かっています。そして、そういう子どもは「誰にでも失敗や間違い、分からないこと、できないことがある。得意・不得意がある。友達や家族との心のすれ違いなどが起こることがある」などを知っています。
つまり、誰でもうまくいかないことはあるけれども、自分の行動は自分で決めることができ、その行動の責任は自分にあることを理解しているのです。

○家庭での心掛け
「かわいい子には旅をさせよ」です。家庭でも、お子さんの言動を決定付けたり、制限したりする指示はできるだけ控え、たとえ失敗してもお子さんが自ら判断し、自ら動き出すように意図的に働きかけることを心掛けてください。
そして、結果が満足いくものでなかったとしても、自分で決めて行動したことを認め、思い切り褒めてあげてください。

問合せ:
・教育環境について…教育総務課【電話】625-8156h
・登校支援について…子ども支援課【電話】625-8159