しごと 特集 働きやすい職場環境づくり(3)

■場所にとらわれず最大限のパフォーマンスを
「テレワーク」

◆株式会社 トーカイ
(藤枝市高柳2150-2)
事業内容:一般土木工事(道路構造物・道路改良・河川・砂防・地すべり・公園・水道・下水道・電線共同溝など)通信土木工事、情報ボックス、マンホール鉄蓋取替修繕に携わる。
建設業の次代を担う人財を確保・育成していくため発足した「藤枝どぼくらぶ」にも加入。

「通信環境とクラウド整備で、場所に縛られない働き方を実現」
(株)トーカイ
増田代表取締役
中村さん(民間工事の積算を担当/入社33年目)
渡辺さん(公共工事の積算を担当/入社30年目)

Q.テレワークを始めたきっかけを教えてください。
中村さん:肩のけががきっかけでした。靭帯を断裂し、手術後のリハビリ期間中に自宅でテレワークを始めました。
渡辺さん:コロナ禍がきっかけで、テレワークを開始しました。現在も週に1回程度、自宅で勤務しています。

Q.テレワークをして感じられたメリットは何ですか?
中村さん:会社には、往復2時間かけて通勤していたため、リハビリに時間を割くことができました。
渡辺さん:コロナ禍では、家族以外との接触を減らし、感染リスクを抑えられたことが大きなメリットです。

Q.テレワークの際に大変だったことは何ですか?
中村さん:設計図などの大きな図面を拡大して確認したいことが多く、パソコン上での作業に慣れるまで見づらかったです。
渡辺さん:会社にかかってきた電話の転送やかけ直しなど、外部とのやり取りが難しかったですね。社内で勤務する社員のサポートがとても助かりました。

Q.テレワークの導入によって、業務の進め方や効率に変化はありましたか?
増田代表:在宅勤務に限らず、会社から離れた場所での勤務という意味では、ほぼ全社員がテレワークをしています。わが社ではクラウド上でデータを一元管理しているため、通信環境さえあればどこでも業務が可能です。従来は工事現場で作業をした後、会社に戻ってデータ入力などの業務を行っていましたが、現在は現場事務所ですべての業務を行えるようになり、直行直帰が可能になりました。これにより、移動時間が削減され、柔軟な働き方が進んでいます。テレワークは生産性の向上にもつながっていると思います。

○クラウド業務活用のイメージ
在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務

■時間を柔軟に使い、仕事と暮らしの両立を
「短時間勤務」

◆株式会社 バーチュー
(藤枝市緑町2-2-8)
事業内容:「はたらく場所から、世界中を面白く。」をビジョンに掲げ、オフィスデザイン、システムデザイン、文具販売、内装仕上工事業を手掛ける。

「柔軟な働き方で、仕事も育児もスムーズに回り出す」
(株)バーチュー
八木さん(商品の荷受けや配達を担当/入社2年目)
・2019年に出産し、現在5歳の長男がいる

Q.就職のきっかけを教えてください。
八木さん:以前はアパレル業界で働いていましたが、土日勤務が多く、もっと家族と過ごす時間を増やしたいと思い、転職を決意しました。文房具が好きで、今の会社の募集を見て応募したことがきっかけです。

Q.現在の勤務時間について教えてください。
八木さん:通常は午前8時30分から午後5時30分までの勤務ですが、息子の幼稚園の迎えのために午後5時までの時短勤務をさせていただいています。

Q.現在の働き方のメリットを教えてください
八木さん:課内外問わずコミュニケーションが円滑で、同僚からのサポートがとても手厚いため、時短勤務でも安心して業務を進めることができています。
また、フォロー体制が整っているおかげで、業務に集中でき、時間だけでなく気持ちにも余裕が生まれました。
その結果、子どもともゆとりを持って過ごすことができるようになり、仕事と育児の両立が以前よりずっとスムーズになったと感じています。

Q.仕事と育児の両立で心がけていることはありますか?
八木さん:仕事と育児をなるべく分けて取り組むように心がけています。気持ちの切り替えを大切にしていて、仕事が終わったら一度深呼吸をし、家庭モードに切り替えるようにしています。

Q.ご家族の協力について教えてください
八木さん:夫とは家事を分担しており、私は主に料理や掃除を担当し、夫は洗い物やゴミ出しをしています。また、私の勤務がシフト制から土日休みになったことで先の予定が立てやすくなり、両親にも協力をお願いしやすくなりました。

◆テレワークとは
「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のことで、Tele(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語です。本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTを使って仕事をすることができます。
テレワークを「働く場所」という観点から分類すると、自宅で働く「在宅勤務」、本拠地以外の施設で働く「サテライトオフィス勤務」、移動中や出先で働く「モバイル勤務」があります。
出典:厚生労働省 総務省「テレワーク総合ポータルサイト」

◆働く時間を柔軟にするための制度
○短時間勤務(時短勤務)
育児や介護の事情がある労働者が、一定期間、1日の所定労働時間を短縮して働けるようにする制度です。2025年10月1日に施行された育児・介護休業法の改正により、育児期におけるこの制度の運用が見直され、「3歳まで」を中心とした従来の運用から、「小学校就学前まで」の活用を促す方向が示されています。

○時差出勤
1日の労働時間は維持しつつ、個々の事情や業務に合わせて始業・終業時刻を前後にずらして勤務できる制度です。通勤混雑の回避や生活リズムへの適合を図ります。

○フレックスタイム
一定の期間についてあらかじめ定められた総労働時間内で、労働者が日々の出退勤時刻や労働時間を自由に決定することができる制度です。日々の都合に合わせて仕事とプライベートの時間を配分することができます。