- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年9月号
■津城かわら版(14) 城域拡張の痕跡
本丸南側の児童公園に面した石垣の中央部からやや東寄りに、城域が東側に拡張されたことを示す痕跡があります。これは、かつての本丸南東隅部分の石垣に連続する形で、わずかに段差を持って新しい石垣が足されたものです。
この拡張がいつ行われたかは、明確な資料が残っておらず、特定することはできません。一説には、慶長16(1611)年に着手した藤堂高虎の津城大改修によるものともいわれますが、この場所の石垣を正面から見ても、段差の左右で積み方にさほど大きな時期差はなく、また高虎改修の際の代表的なものとされる本丸北側石垣と比較しても積み方が異なることから、高虎以前の城主であった富田氏の時代に拡張されたとの見方もあります。
絵図の描写や戦前の古写真からは本丸南側にはかつて幅100mに及ぶ内堀が広がっていたことが見て取れます。この石垣は、現在の本丸南東隅(月見櫓跡)までの約30mを東側に拡張した痕跡を示す貴重な遺構となっています。
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