くらし めざそや! 共同参画 54

男女共同参画社会を阻害する要因として、近年、取り上げられることが多くなっているアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見、思い込み)について、前回に引き続き一緒に考えていきましょう。

■アンコンシャス・バイアスの代表的な6つの種類
これって普通やんな?
(1)避難指示が出ていても、「自分は大丈夫」と思い込む(正常性バイアス)
(2)あの人はA型だから、几帳面に違いないと思い込む(確証バイアス)
(3)白衣を着た男女を見ると、「医師は男性」「看護師は女性」と思ってしまう(ステレオタイプバイアス)
(4)高齢者や女性というだけで、力仕事には向かないと思い込む(慈悲的差別)
(5)あの人は良い大学を出ているから、仕事ができるに違いないと思い込む(ハロー効果)
(6)多数派に従っていれば間違いないと思ってしまう(集団同調性バイアス)

アンコンシャス・バイアスにはさまざまなパターンがあります。日常で起こり得る代表的な6つの種類は左上の通りです。もう少し詳しく見てみましょう。

(1)正常性バイアス
危機的な状況下にあるにもかかわらず、都合の悪い情報やデータを「無視」「過小評価」することを指します。
上の例の場合、避難が遅くなることが問題です。

(2)確証バイアス
自分の考えや価値観などの正しさを証明する情報ばかり集めたり、異なる情報や意見を無視したり、集めようとしないことを指します。
客観的・科学的な事実を否定する、誤った意思決定をするなどの原因となります。

(3)ステレオタイプバイアス
性別・年齢・国籍・職業などによって、向き・不向きを判断することを指します。
それらの先入観によって判断を誤り、社会的に不適切な発言・態度をとってしまうおそれがあります。

(4)慈悲的差別
自分よりも立場が弱いと思う他者に対して、先回りして不要な配慮や気遣いをすることを指します。
上の例では、良かれと思っての配慮ですが、かえって傷つけてしまうこともあります。

(5)ハロー効果
特定の目立つ特徴をもとに、全ての評価が影響されてしまうことを指します。
「ポジティブハロー効果(優れた特徴によって評価がプラスに偏ること)」と「ネガティブハロー効果(劣った特徴によって評価がマイナスに偏ること)」の両面があるのが特徴です。
人の本質を見極めるのが難しくなり、誤った評価をしてしまう可能性があります。

(6)集団同調性バイアス
集団の中にいると、つい他人と同じ行動をとってしまうことです。
自己主張の強い人がいると、自分の意見を主張できないことがあります。また、所属している集団の意見に合わせようとする人が多くなると、ハラスメントの横行など重大な問題に発展することがあります。

問合せ:市民交流課
【電話】21-5513【FAX】21-5522