くらし いつまでも、自分らしく(1)

認知症は誰もがなりうる病気です。医療や介護などの適切なサポートを受けることで、家族の負担が軽減でき、早い段階から症状や相談先を知っておくことが大切です。
今回の特集では、3ステップに分けて認知症について説明します。

■STEP(1)知る
◆「もの忘れ」と「認知症」とのちがいは?
もの忘れは、老化による記憶力の低下により、体験の一部を忘れたり、人の名前がなかなか思い出せないといったように部分的に忘れてしまう症状です。
一方、体験そのものを忘れてしまうことが認知症の症状と言われています。

〇老化によるもの忘れ
・もの忘れを自覚できる
・食事のメニューなど、体験の一部を忘れる
・判断力の低下は見られない
・ヒントをもらえば思い出せる
・年や日付、人との関係などはわかる

日常生活に大きな支障は出ません

〇認知症によるもの忘れ
・忘れたという自覚がない
・ご飯を食べたことなど、体験したこと自体忘れる
・判断力が低下する
・ヒントをもらってもピンとこない
・年や日付、季節が分からなくなる

日常生活に支障が出ます

◆軽度認知障害(MCI)を知って早期治療を!
軽度認知障害(MCI)をご存知ですか?MCIとは、記憶力などの認知機能の低下があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態のことです。この段階で見つかった場合は回復する場合もあるため、早期発見・早期治療がカギになります。

〇軽度認知障害(MCI)の代表的な症例
1 周りの人と比べて、物忘れが気になる
2 今日の日付や曜日がわからない
3 昨日のごはんのおかずを思い出せない

◆MCIは健常な状態と認知症の中間の状態
健常な状態
↓↑
MCI(軽度認知障害)

認知症

◆軽度認知障害(MCI)早期発見チェックリスト
5つ全てあてはまると、MCIかも
□本人か家族からの、もの忘れの訴えがある
□記憶障害以外の認知機能(考える・人とコミュニケーションをとるなど)は正常な状態である
□日常の生活動作は自立している
□テストや検査を受けても、認知症ではない
□年齢や学力だけでは説明できない記憶力の低下

■STEP(2)相談する
◆悩まずに早めの相談を!
認知症は、早期発見・対応で、発症を遅らせることや進行を緩やかにすることにつながります。もの忘れが多いなどの心配がある方は、かかりつけ医や担当区域の地域包括支援センターに相談しましょう。

◎認知症ハンドブックも活用できます。