- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県亀山市
- 広報紙名 : 広報かめやま 2025年7月1日号
亀山市地域福祉推進委員会
委員長 長友 薫輝さん
■ひきこもり等は社会課題の一つである
ひきこもり等に至る原因やきっかけは多種多様です。いじめ、不登校、障がい、進学や就職、人間関係の悩み、家庭環境などさまざまな事情が関係しています。背景には、少子高齢化や核家族化の進展、非正規雇用の増加といった日本を取り巻く社会環境の変化のほか、自己責任論や成果主義の広がりの影響など、社会的な要因によって生じていることが考えられます。このように「誰にでも起こりうること」としてとらえるべき社会課題の一つで、決して自己責任で解決する課題ではありません。
私が策定に関わった三重県の第二期三重県ひきこもり支援推進計画(令和7~11年度)では、めざす社会像を「誰もが社会孤立することなく、ありのままの自分が認められ、いつでも小休止でき、多様な生き方を選択し、希望を持って安心して暮らせる社会」としています。
■ひきこもり等は、他人事ではなく、我が事の時代にある
私自身、ひきこもり等とは「社会的に孤立し、孤独を感じている状態にある人や、さまざまな生きづらさを抱えている状態の人」と考えます。また、働きたくても働けない状態は一人ひとり異なり、例えば「生活上の困難さを感じている、家族を含む他者との交流が限定的(希薄)、支援を必要としている」といった状況です。そういった状態になった場合、早期の支援につながることができるよう、いつでも安心して訪れることができる居場所等の社会資源を確保した上で、十分な相談支援体制の整備に向けた関係各位の共同の努力が重ねられてきました。
ひきこもり等を人ごとではなく、自分のことのように誰にも起こりうる課題としてとらえ、皆さんの関心と認識が高まることで、誰もが自分らしく生きることができる地域社会へとつながっていくものと考えます。
■今、どのような支援が求められているのか
支援の最終的な目標は、社会参加や就労だけでなく、社会から孤立することなく希望を持って安心して暮らせるためのサポートを行うことです。当事者が自らの意思により社会との関わりや就労などを望む場合に、多様な生き方を選択できるよう、安心して利用できる居場所づくりに加え、社会との接点を持つ機会の提供や、就労支援も含めた段階的かつ継続的な社会参加や社会で活躍できる環境づくりが大切です。
県内では、複雑化・複合化した支援ニーズに対応するため、対象者の世代や属性を問わない相談支援、多様な社会参加支援、居場所や交流の場をつくる地域づくり支援を一体的に行う包括的な支援体制の充実が図られています。就労を望む当事者には、就労支援機関はもとより、福祉や医療など、必要な関係機関が連携し、相談から就職までの一貫した支援に加え、就労後の悩みや不安に対しても寄り添いながら、就労の定着支援が必要であると考えています。
『Find』は、「対面で話すことに不安がある」、「外出するのは人目が気になる」などの生きづらさを抱えながらも、つながりを求める人を対象とした、インターネット上のコミュニケーションツール「MetaLife(メタライフ)」を活用したオンライン居場所です。仮想空間(メタバース)で自分の分身となるアバターを操作するので、ゆるやかな交流ができます。
この場所で、「自分に必要な何かに気づき、何かを知り・発見する」ことができるようにという想いを込めて、本年4月から運用しています。
対象者:市内在住の人(社会とのつながりを求めている人やその家族)
開催日:毎月第4金曜日 午後4時~5時(祝日の場合は、前日の木曜日)
※申込フォームから事前に予約してください。