- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県亀山市
- 広報紙名 : 広報かめやま 2025年7月1日号
■本人が希望する「ゆるやかな就労体験」を通して─「キンレイ」が取り組む地域貢献─
株式会社キンレイ
生産本部生産部 亀山工場
飯場 里美さん
◆新たな場所で、「地域との交流」をはじめる
令和6年3月に亀山市で工場を稼働しました。昔と違って人と人との交流が少なくなってきていると感じる中、企業として地域密着型で地域貢献ができないかと考えていたところ、ご縁があって、地域まちづくり協議会の行事で冷凍ラーメンの試食ブースを出し、地域の皆さんとの交流が生まれました。また、夏まつりやバレーボール大会にも参加し、バレーボール大会では、外国人技能実習制度の実習生たちと一緒に参加し、優勝しました。これからも、弊社と地域の交流が増えればと考えています。
そのような中、令和7年1月、社会福祉協議会から就労体験の場づくりへの協力依頼を受けました。私自身が、以前、特別養護老人ホームで相談員として働き、現在、精神保健福祉士等の資格取得に向けた勉強をしているので、社会課題としてひきこもりやニートを認識していました。いずれ親の方が先に亡くなる可能性が高く、そうなると生活が立ち行かなくなってしまう。そうなる前に少しでも働けるようになれることをバックアップできるのであればと上席に話をして、協力企業として登録に至りました。社内で協議を重ね、「ちょっとやってみようか」程度のゆるやかな形の体験の場を提供することになりました。
◆内面が変われば、言動や行動が変わる
就労体験で当社に来てくれた男性。ちょっと下向き加減で、目を合わせて会話をすることがほとんどありませんでした。まず、彼が会社に興味を持ち、長く続けられよう、3つの業務を見学してもらいました。その中で、本人が希望した「材料の受入作業」を週3日(1日2時間)でスタートしました。女性との関わりが少し苦手とのことで、日本語が堪能な外国籍の男性をサポート役にしました。最初の頃は作業を見てばかりでしたが、体験日数を重ねていくと「おはようございます」とあいさつをしてくれるようになりました。定期的な面談でも、「週4日働きたい」などの変化が見られ、最近は、自分から率先して意見を言えるようになってきました。笑顔が増え、冗談交じりでちょっとした文句も言えるようになってきて、すごく変わったなと感じています。きっと、“本来の彼らしさ”が出てきたのだと思います。
就労体験を卒業し、4月からアルバイトになり、社員も驚くぐらい仕事もできるように成長しています。本人が望むのであれば、準社員など仕事の幅を拡げて、責任ある業務を任せてみたいと社内で話しています。
◆「働きたい気持ち」に寄り添ってずっと地域貢献していきたい
近年、人手の確保が難しい時代になっています。こうした状況だからこそ、まずは就労体験からスタートし、自分のペースでステップアップしてほしいと考えています。市の事業を利用すると、市と社会福祉協議会が本人と企業の間を取り持っていただけるので助かります。履歴書等だけでは伝わってこない本人の性格や気持ち、親御さんの想いなどを知ることができます。言いたいことを我慢したり、誤解が生まれたりすることもありません。当社での就労体験を希望してくれる人がいる限り、これからも就労体験事業に協力し、地域貢献し続けたいと考えています。
市と社会福祉協議会では、社会とのつながりに不安がある人やその家族を対象に相談窓口を開設しています。ささいな悩みごとでも構いませんので、安心してご相談ください。
開設日時:平日(午前8時30分~午後5時15分)
※土・日曜日、祝日、年末年始を除く
●何をすればいいか分からない
●子どもが家族としか交流がなく不安
●子どもへの接し方に悩んでいる
●人間関係がうまくいかず、学校や仕事に行けなくなっている
●働きたくても働けない状態で悩んでいる
●家族が高齢化し、子どもの将来が心配など
来所、訪問、メールなど相談方法も希望に応じますので、まずはご連絡ください。
どちらの窓口も、総合保健福祉センター「あいあい」(羽若町545)内にあります!
◇市の相談窓口
地域福祉課福祉総務グループ
【電話】84-3311
【E-mail】[email protected]
◇亀山市社会福祉協議会の相談窓口
福祉なんでも相談(生活支援係)
コミュニティソーシャルワーカー(地域福祉係)
【電話】82-7985
【E-mail】[email protected]