くらし こころに寄り添い命を守る(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県鳥羽市
- 広報紙名 : 広報とば 令和7年3月1日号
【8市町合同特集】皇學館大学「広報いせ」特集記事制作プロジェクト
~3月は自殺対策強化月間~
同期間には全国で当事者が支援を求めやすい環境を作るための「生きる支援」の実現に向け、啓発活動が展開されます。鳥羽市・伊勢市・志摩市・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町・明和町の8市町の合同特集として、市民のみなさんが、自殺対策についての理解と関心を持ってもらえるよう、その取り組みについて紹介します。
■自殺は防ぐことのできる社会的な問題
「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題である」とWHO(世界保健機関)が明言しているように、社会の努力で「避けられる死」であることが世界の共通認識となっています。自殺は、人が自ら命を絶つ瞬間的な行為としてだけでなく、人が命を絶たざるを得ない状況に追い込まれた過程にも考慮する必要があります。
■自殺の原因は複雑化・複合化している
自殺に追い込まれる心理としては、さまざまな悩みが原因で心理的に追い詰められ、自殺以外の選択肢がない状態に陥ることや、「生きていても役に立たない」という役割喪失感、与えられた役割の大きさに対する過剰な負担感から、危機的な状態に追い込まれてしまうといった過程として捉えることができます。これらの過程は誰にでも起こりうるものであり、決して特別な問題ではありません。
さらに、地域の生活現場で起きている問題は、社会が多様化する中で複雑化・複合化しています。これらの問題がもっとも深刻化したときに自殺は起きると言われており、「平均4つの要因(原因)が連鎖する中で自殺が起きている」とする調査もあります。(自殺実態白書2013より)【下図】
■誰も自殺に追い込まれることのない鳥羽市を目指して
◆鳥羽市の取り組み
▽地域市民への啓発と周知
・「庁内相談窓口一覧」リーフレットの作成・配布
・図書館での企画展示
・自殺予防週間ポスターの掲示
・自殺対策強化月間ポスターの掲示
・広報に啓発記事掲載
▽自殺対策を支える人材の育成
・市職員を対象としたゲートキーパー養成研修
▽生きることの促進要因への支援
・生活困窮・育児・介護・過労・いじめなど生きることの阻害要因を減らすために関係機関による各種相談の実施
▽児童生徒のSOSの出し方に関する教育
・SOSの出し方教室
・学校図書館活用
▽地域におけるネットワークの強化
・自殺対策庁内連携会議
■あなたのこころ、疲れていませんか?
こころの健康は、誰もが損なう可能性があり、珍しいことでも恥ずかしいことでもありません。こころの病気は、過度のストレスが続くことによって引き起こされ、放置することで重症化します。
ちょっとした不調や違和感は、もしかしたら、こころが発している不調のサインかもしれません。
以下のような症状が2週間以上続く場合は、早めに専門家へ相談し、対処することがすすめられています。
◆こころの不調のサイン
▽こころ
・悲しみ、憂うつ感
・不安感、イライラ感、緊張感
・無力感、やる気が出ない
▽からだ
・食欲がなくなる、やせてきた
・寝つきが悪い、朝早く目覚める
・動悸がする、血圧が上がる
・手や足の裏に汗をかく
▽行動
・消極的になる
・周囲との交流をさけるようになる
・身だしなみがだらしなくなる
・落ち着きがない
・飲酒、喫煙量が増える
問合せ:健康福祉課健康係
【電話】25-1146