- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県鳥羽市
- 広報紙名 : 広報とば 令和7年10月1日号
■部落差別(同和問題)を考える
部落差別は、住んでいるところや生まれたところなどを理由とする差別です。被差別部落とされてきた土地との関係を有する者(部落出身者)に対する差別問題です。
今年は、国に「部落問題の解決を国策として取り組む」ことを求めた同和対策審議会(同対審)答申が出されて60年にあたります。その前文において、「同和問題は人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である」とし、「その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」との認識を示しました。
また今年は「部落地名総鑑」差別事件発覚から50年にあたります。1975年11月、全国の被差別部落の所在地情報を掲載した「部落地名総鑑」が秘密裏に作成・販売・購入され、採用選考や結婚調査などに利用されていることが明らかになりました。法務省は本の回収を進め、1989年に事件の「終結声明」を発表しました。しかし今、情報化の進展の中で、ネット上での被差別部落の所在地情報の投稿・拡散は部落出身者が平穏に生活する権利を脅かしています。
こうしたなか、2016年に「部落差別の解消の推進に関する法律」(部落差別解消推進法)が成立・施行されました。同法は第1条で「現在もなお部落差別が存在すること」を認め、「部落差別は許されないもの」であり、「これを解消することが重要な課題である」との認識を示し、「部落差別のない社会を実現すること」を法律の目的にかかげました。自治体にも地域の実情を踏まえた施策の実施を求めています。
社会の中で起きていて普段から意識しているかどうかに関わらず、すべての人に関わりがある問題です。多くの人の努力によって解決に向けた取組が進んでいますが、残念ながら、今も部落差別が起きています。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】25-1268
