くらし 選ばれるまち、選ぶ理由があるまちへ(1)

◆グリーンクリエイティブいなべ Green Creative Inabe
住む人にとっては、当たり前すぎて見逃してしまいがちになる“まちの魅力”。いなべ市にも当たり前の暮らしの中に、市内外の人を魅了する資源がたくさんあります。今月号では、現在進行中の市の魅力を活かしたまちづくりについて紹介します。

▽「グリーンクリエイティブいなべ」って?
平成26年度、4つの旧庁舎を統合し、新庁舎を建設することが決定しました。その際考えられたのが、「単なる市役所ではなく、観光や防災などまちづくりの拠点に」という観点です。
当時、国は地方の人口減少や経済停滞などの問題に対処するため、地方創生を打ち出しました。それは、いなべ市も地方として例外ではなく、魅力的なまちづくりによって人々の流れを創り出す必要がありました。
そこで平成27年から始まったのが、いなべ創生事業「グリーンクリエイティブいなべ」です。新庁舎建設や東海環状自動車道の整備を好機と捉え、独自性を打ち出すことで「選ばれる自治体」を目指しました。
いなべの資源である「グリーン」を都会的に磨き上げ、若者や都市住民を魅了するようなモノ・コト・トキを創造(クリエイト)する。この理念の基、まちづくりプロジェクト「グリーンクリエイティブいなべ推進事業」は加速してきました。

[いなべの資源]
〇自然とアウトドア
虫や魚とり、キャンプ、登山、自転車、豊かな自然、里山での暮らし など
〇農と食
安心安全な野菜、育む水・土・気候、農業に挑戦する若者 など
〇アート・クラフト
芸術家、作り手 など

▽まちづくりの拠点「にぎわいの森」 一般社団法人GCIって?
新庁舎の建設に合わせ、整備された「にぎわいの森」。単なる市役所として機能を果たすだけでなく、市民が交流する場として、また、名古屋などの都市圏から客を呼び込み、にぎわいをもたらす拠点として計画されました。

令和元年5月のオープンから1年後には、まちづくり法人である「一般社団法人グリーンクリエイティブいなべ(GCI)」が誕生。その役割は、市の新たな価値や魅力を引き出し、おしゃれでカジュアルな山辺の暮らしを発信すること。また、行政と民間をつなぐ窓口となり、地域活性化のかじ取り役となることです。
現在も、にぎわいの森を拠点にマルシェやワークショップ、移動店舗(モバイルヒュッテ)など、さまざまな人とのつながりを生みながら、多岐にわたる事業とその発信を行っています。

▽人口よりも主人公 夢を実現できるまちへ
(一社)GCIは、行政から切り離し、民間とより柔軟に連携できる組織として設立されました。「人口よりも主人公」という考え方の基、市民が主役として活躍できる場を創出し、地域の価値を高める「総合商社」的な役割を果たしています。
市の事業が始まり10年間で、新庁舎建設や新型コロナウイルスの影響、インフラ整備など、さまざまな変化を経験しました。その中で、チャレンジし続けてきた私たちのまち「いなべ」は、今多くの人を惹(ひ)きつけています。
近年は移住者や観光客が増加傾向にありますが、今後重要なのは関係人口の拡大です。地域と多様に関わる人々を増やすことが、10年、20年先の未来につながると考えています。新たなビジネスの創出や、まちづくりへの主体的な参加を重視し、夢を実現できる場としての「いなべ」を支えていきます。
(一社)GCI 一橋俊介