その他 令和7年度 施政方針(10)

▼5 未来を拓く学び
◇5-1【生きる力を育む教育】
いなべ市は伝統的に一人一人を大切にし、地域の人々とつながり、支え合う教育を実践してきました。その結果、令和6年度の全国学力・学習状況調査では「自分には良いところがあると思いますか?」(自己肯定感)の質問に対し9割近い児童生徒が「良いところがあると思う」と答え、「授業や学校生活では、友達や周りの人の考え方を大切にしながら課題の解決に取り組んでいますか?」(他者を尊重し協働する力)の質問に対して95%を超える児童生徒から「はい」との回答がありました。この結果は全国平均や三重県平均を大きく引き離しており、いなべの教育がこどもたちの自己肯定感や協働力を育んでいる証でもあります。

◇5-2【夢・未来プロジェクト2030】
2030年のゴールを目指し、世界で展開されている「SDGs」。その目標である「ウェルビーイング(Well-being):多様な個人と社会全体の幸せ」を実現していくため、一人一人に社会の構成員=当事者として責任ある行動がとれる力が求められています。いなべ市では外部講師による「社会で自分を活かせる教育」として、日本航空ふるさと応援隊による「人としてのたたずまい講座」や「キャリア教育」、プロジェクトアドベンチャーの手法を取り入れた「冒険体験学習」を実施し、過去に受講したこどもたちは延べ1万人を突破しました。これら未来人財への投資的事業を通して、児童生徒の一人力(自律)と仲間力(共生)を培う教育を進めます。

◇5-3【ICT教育の充実】
いなべ市は国のGIGAスクール構想に先立ち早くから1人1台のタブレット端末を整備し、プログラミング学習を含めたICT教育を積極的に推進してきました。しかし、タブレット端末などICT機器は5年で更新する必要があり、令和7年度は保有する約4,000台のうち、800台を更新し、ICT教育を推進します。

◇5-4【保育小中一貫教育】
認定こども園児から中学生まで途切れない保育や教育をするためには、組織を超えたカリキュラムが必要です。いなべ市教育総合研究所を中心に、認定こども園から小学校への「架け橋プログラム」の作成を手始めに、保育士と教職員の研修や交流を進めます。

◇5-5【文化財の保護と市史編さん】
旧町史が発行されてから、それぞれ38年から24年が経過し、その間、いなべ市が誕生し街並みや生活様式も大きく変わりました。その一方、地域で残されていた歴史的な資料が急速に失われつつあります。そこで、市政20周年を契機に「いなべ市史編さん事業」を立ち上げ、調査を開始しました。刊行は令和12年度を目標に、文化財の保護と市史編さん事業を進めます。

◇5-6【体育館の空調設備の設置】
避難所に指定されている体育館の夏場の暑さ対策として、空調設備の設置が国の緊急防災・減災事業の対象となったことから、全ての小中学校の体育館の空調設備の設置を逐次進めます。

◇5-7【教育施設の大規模改修】
老朽化している丹生川小学校、藤原文化センターの大規模改修、大安スポーツ公園体育館、大安海洋センター体育館の耐震、長寿命化および駐車場の整備工事を実施します。

◇5-8【ネコギギ飼育増殖施設の整備】
いなべ市では、国の天然記念物に指定されている「ネコギギ」の自然繁殖に成功し、ネコギギが野生生息する員弁川水系の河川に放流する事業を行っています。現在の飼育室がある大安スポーツ公園体育館の改修工事が始まることから、担当職員が勤務する藤原文化センター内に飼育室を整備し、ネコギギの飼育体制の強化を図ります。